防弾少年団(BTS)が、米ニュース週刊誌タイムから「今年のエンターテイナー」に選ばれた。新型コロナウイルス感染症で皆が苦しい時、絶えずファンクラブのARMYと疎通し、連帯したという点を高く評価すると明らかにした。
タイムは10日(現地時間)、「パンデミック(感染症大流行)で全世界の公演が一瞬にして消えたが、BTSはファンとより強い結束を固めた」とし、「世の中が止まって、すべての人が繋がりを維持するために努力する時期に、彼らの活動がもっと輝いた」と選定理由を明らかにした。続いて「単なるK-POPの先頭走者ではなく、完全な世界最高グループになった。アルバムを出すたびにあらゆる記録を破り、頂点に立った」と、BTSの活躍に意味を与えた。
タイムは、「苦痛と冷笑に満ちた時代に、BTSはやさしさ、連帯、ありのままの自分を受け入れろという真心のこめたメッセージを伝え続けた」とし、これがBTSファンダムの源だと分析した。特にスターとファンの垂直的関係から脱して、ファンと相互交流する水平的関係を構築したという点を高く買った。
BTSメンバーのジェイホープ(チョン・ホソク、26)は、「人々に慰め、安心、前向きなエネルギーを与えるアーティストになりたかった。そうした意志が、われわれの真心と調和を成した」と自評した。ジョングク(チョン・ジョングク、23)は、「われわれは底からゆっくり上がってきたが、(ARMY)一緒に成長したような気がする。お互いの気持ちが分かったようだ」と語った。
タイムは、「BTSの圧倒的な成功は、ファンダムの働き方と音楽の消費方式に大きな変化が生じていることを示している」とし、歌手とファンの関係が音楽産業の勢力図そのものを変えていると診断した。BTSが今年、全世界で激しい人種差別反対運動「BLM」(黒人の生命も大切だ)に100万ドルを寄付すると、ARMYも100万ドルを同じく寄付した例が、その例だと説明した。先月24日、米グラミー賞授賞式で最優秀ポップデュオ・パフォーマンス賞にノミネートされたBTSは、来年1月31日に開かれる授賞式で、韓国大衆音楽グループでは史上初のグラミー賞受賞に挑戦する。
タイムは同日、「今年の人物」に、バイデン米次期大統領(78)とカマラ・ハリス次期副大統領(56)を共同選定した。1927年から毎年、今年の人物を発表しているタイム誌は、2018年に世界の言論の自由のために戦った「守護者たち」、2017年に性暴力告発「Metoo」キャンペーンを始めた「沈黙を破った人々」などの特定集団を選んだことはあるが、2人を共同受賞者に選んだことは今回が初めてだ。
タイムは、「感染症、人種差別、不平等、災害のような山火事、民主主義の危機が重なった中で行われた米大統領選挙で、米国の物語を変えた二人を『今年の人物』に選ぶ」とし、「バイデン次期大統領は、怒りと分裂ではなく、共感の力で崩れた連帯を回復できるという信頼を失わなかった」と評価した。特に、高齢の白人男性であるバイデン氏は、自分では世代交代や多様性のような価値を代表できないことを認め、インドとジャマイカ系混血のハリス氏を米国初の非白人女性副大統領候補に立てて、補完した点を高く評価していると診断した。
任寶美 bom@donga.com