「トッテナムはカウンターのモンスターだ。ソン・フンミンとステーフェン・ベルフワインのスピードは物凄い」
イングランド・プレミアリーグ(EPL)の前季覇者リバプールのユルゲン・クロップ監督は、俊足のFWたちを使ったトッテナム・ホットスパーの脅威的なカウンターを「モンスター」と呼んで絶賛した。トッテナムの素早い攻守の切り替えをじりじりする思い見守ったクロップ監督に一撃をくらわせたのは「スーパーソニー」孫興民(ソン・フンミン=28)だった。
トッテナム対リバプールの今季EPL試合が行われた17日のリバプールのアンフィールド。0-1でリードされていたアウェーチームのトッテナムは、前半33分に反撃に出た。GKウーゴ・ロリスが手で渡したボールを受け取ったMFジョバニ・ロ・セルソがドリブルで突破した後、相手守備の裏に切り込む孫興民にスルーパスを出した。ボールを受け取ったペナルティーエリアまで入った孫興民は、右足シュートで同点を決めた。ボールがロリスのパスからゴールラインを通過するまでの84メートルを移動するのに約10秒しかかからない素早いカウンターだった。ロ・セルソのパスを受ける瞬間の孫興民の位置がオフサイドだったと指摘する声もあったが、ビデオ判定(VAR)の末にゴールが認められた。
この日の自身の唯一のシュートでゴールを決め、一撃必殺の神髄を見せつけた孫興民の活躍にもかかわらず、トッテナムは後半45分のCKで、リバプールのロベルト・フィルミーノにヘディングゴールを許し、2-1で敗れた。守備への貢献度が高い孫興民が後半42分に交代されてから3分後の失点だった。この日の敗北でトッテナムは勝ち点25(7勝4分2敗)で首位から2位(17日現在)に順位を下げた。プレミアリーグでホームでの無敗試合を66に伸ばしたリバプール(55勝11分)は勝ち点を28(8勝4分1敗)とし首位に浮上した。
リバプールを相手に3年2ヵ月ぶりにゴールを決めた孫興民は、リーグ11ゴール(シーズン通算14ゴール)をマークし、この日リバプールの先制ゴールW決めたモハメド・サラー、ドミニック・カルヴァート=ルーウィン(エバートン)と首位に並んだ。2015~2016シーズンのトッテナム加入以来、プレミアリーグと欧州クラブ対抗戦などで通算99得点を挙げた孫興民は、20日午後11時15分(韓国時間)、レスター・シティとのプレミアリーグ戦でトッテナムでの通算100得点に挑戦する。
今季に孫興民は、得点機が訪れたら確実にゴールを決める「キラー」の本領を遺憾なく発揮している。プレミアリーグの得点ランキング上位5位の中で最も少ないシュート数(23本)を記録している。得点共同首位のサラーとカルヴァート=ルーウィンは、それぞれ45本と40本を打った。枠内シュート(14本)に対する得点確率(79%)も得点ランキングのトップ上位5位では1位だ。米CBSスポーツは、「孫興民は現在最高の決定力を発揮している選手だ。彼がGKと1対1のチャンスを迎えると、得点を疑う必要がない」と評価した。
鄭允喆 trigger@donga.com