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米民主党、「反乱扇動」でトランプ氏弾劾決議案提出へ

米民主党、「反乱扇動」でトランプ氏弾劾決議案提出へ

Posted January. 11, 2021 08:12,   

Updated January. 11, 2021 08:12

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米民主党が、トランプ大統領が支持者の議事堂への乱入を扇動したとして、下院でトランプ氏に対する弾劾決議案を提出し、近く採決を実施する意向を明らかにした。ただ、トランプ政権の任期が約10日しか残っておらず、日程に余裕がないうえ、共和党の反対で弾劾が実現する可能性は高くない。だが、2024年の大統領選でトランプ氏の再出馬を封鎖するという政治的狙いがあるという見方も提起されている。

CNNなどによると、テッド・リュウ氏ら民主党議員は弾劾訴追状の草案で、「トランプ氏が米国と政府機関の安全および民主主義体制の完全性を脅かした」とし、「平和な政権移行を妨害したトランプ大統領に再任が許されるなら、国家安全保障、民主主義、憲法に対する脅威となるだろう」と指摘した。

弾劾手続きがなされれば、トランプ氏がウクライナにバイデン次期大統領親子の捜査を依頼したという「ウクライナ疑惑」による2019年9月の弾劾の動きに続き2度目。当時も、民主党が多数の下院は通過したが、上院多数党の共和党の反対で否決された。

大統領弾劾は、上院全体100議席の3分の2、下院435議席の半分以上が賛成しなければならない。現在、共和党と民主党は上院でそれぞれ50議席を占めている。上院通過のためには共和党で少なくとも17人が弾劾に同調しなければならない。ただし、民主党は下院では弾劾訴追案の可決に必要な過半数(218人)より多い221議席を保有している。

民主党は6日、大統領支持者による史上初の議会乱入事態が起こった直後から、「大統領が職務遂行不能状態なら副大統領が大統領職を代行する」という憲法修正第25条を根拠に、大統領の職務を停止する案を推進した。しかし、ペンス副大統領が反対の考えを示したため、弾劾に方向を変えた。

ワシントンの政界では、弾劾案が上院は通過する可能性は非常に低いと見ている。共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務は、同僚議員に送ったメモを通じて、バイデン氏の就任前日の19日までに上院を再招集しない考えを示した。上院を再招集するには議員100人全員の同意が必要だが、その可能性もほとんどない。

ただし、トランプ氏の任期が終わった後も弾劾手続きが進められる可能性はある。1875年、グラント政権のウィリアム・ペルナップ陸軍長官は汚職疑惑で辞任したが、上院はその後、弾劾手続きを行った。

民主党もこの点を狙っているとみられる。トランプ氏に「任期後に弾劾された大統領」というレッテルを貼り、今後公職への就任を制限するという狙いだ。民主党のアダム・シフ下院情報委員長は、「トランプ大統領の退任前に弾劾審判が開かれないなら、退任後に有罪を宣告しなければならない。彼の再出馬を防ぐのに重要だ」と主張した。

8日、ツイッターは、トランプ氏のアカウントが暴力行為を扇動するとして永久に停止した。アップル、グーグル、アマゾンなどもトランプ支持者が使う極右指向ソーシャルメディア「パーラー」の流通および配布を全面禁止した。アップルは9日、「パーラーが暴力と扇動を防止する対策を立てるまで、アップストア内の流通を停止する」と明らかにした。白人至上主義者の宣伝扇動を放置し、議会乱入のようなことが再び起これば、プラットホームの責任は避けられないと見て、措置に出たとみられる。

 


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com