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北朝鮮「極超音速兵器を開発」、THAADなど韓米防空網の無力化が狙い

北朝鮮「極超音速兵器を開発」、THAADなど韓米防空網の無力化が狙い

Posted January. 11, 2021 08:13,   

Updated January. 11, 2021 08:13

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が第8回党大会で極超音速兵器の開発を公式化し、北朝鮮が高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)など韓米防空網を無力化するほどの「ゲームチェンジャー」確保の意思を露骨に表した。また、初めて対南攻撃用戦術核兵器を開発する方針を明らかにし、韓国に対する軍事的脅威を強めた。

北朝鮮は9日、「新型弾道ロケット(弾道ミサイル)に適用する極超音速滑空飛行の戦闘部(弾頭部)の開発研究を終え、試験製作に入る準備をしている」と明らかにした。極超音速ミサイルは、音速の5倍(時速約6175キロ)以上の速度で方向を変えて変則飛行して標的に高速落下するため、地上レーダーによる探知と迎撃は事実上、難しい。

 

現存するミサイル防衛(MD)システムでは迎撃が難しく、韓半島の周辺国は極超音速ミサイルの開発に拍車をかけてきた。米国の「AGM183A」は、マッハ20の速度で弾頭が分離し、10分以内に地球上の標的を攻撃できる性能を持つと評価されている。中国の「東風17」も、マッハ10のスピードを出すことができ、ロシアは昨年12月に変則飛行が可能な「アバンガルド」極超音速ミサイルを実戦配備した。軍事専門家たちは、中国やロシアの極超音速ミサイル開発が有事の際、韓半島に展開する米空母戦団にも直接的な脅威になり得ると見ている。

軍内外では、極超音速弾頭の開発に必要な高い技術が中国やロシアから北朝鮮に流入したと見ている。北朝鮮はすでに2019年、「北朝鮮版イスカンデル」と呼ばれる短距離弾道ミサイル(KN23)の発射実験で、マッハ6~7の速度で滑降・上昇飛行する「プルアップ起動」を実施した。極超音速弾頭は通常、大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載されるが、北朝鮮の技術水準を考えると、今後中短距離弾道ミサイルから適用され、具体化する可能性が高い。

さらに、正恩氏は初めて「戦術核兵器」に触れ、対南攻撃の兵器システムの高度化を目指すことを明確にした。これは、約1kt(キロトン・1ktはTNT1000tの威力)の小型の核をKN23など対南攻撃の新型兵器や長射程砲用の弾頭に開発する考えのようだ。また北朝鮮は、韓国の偵察衛星戦略化事業を念頭に置いて、「軍事偵察衛星」と「500キロ前方縱深まで偵察できる無人偵察機」の開発を推進すると明らかにした。


申圭鎭 newjin@donga.com