昨年、「新型コロナ」により活動が大きく制約されたオペラ界が、不透明な展望の中でも復活の歌を夢見る。オペラは、複数の独唱者や大規模な管弦楽、合唱団が必要で、舞台上の出演者のほとんどが声を使って「距離置き」ができない代表的公演ジャンルとして挙げられてきた。
全幕オペラ舞台のスタートは、大邱(テグ)オペラハウスが切る。昨年公演を計画して巡演したドニゼッティの「愛の妙薬」を28〜30日に公演する。テノール・アリア「密かに流れる涙」でおなじみの愉快な作品だ。大邱オペラハウスは、4月中にビゼーのオペラ「カルメン」を8回公演するという計画も明らかにした。韓国内オペラは、そのほとんどが2〜4回の公演にとどまり、「準備に注いだ努力がもったいない」という評価を受けてきた。
昨年11月、プッチーニの「トスカ」の全幕公演で、大疫病克服への願いを込めたソウル市オペラ団は、フランスの作曲家グノーの大作「ロミオとジュリエット」を3月25〜28日、ソウル世宗(セジョン)文化会館の大劇場で公演する。30本を超える古今の「ロミオとジュリエット」素材のオペラの中でも最も愛される5幕規模の大作だ。
2020年の全公演を無観衆映像中継公演と舞台のないコンサートオペラ、地方公演だけで行わなければならなかった国立オペラ団も、今年は5つの全幕舞台を準備する。特に初公演であるチョン・イェウン作曲の創作オペラ「ブラームス…」(Brahms…)が目を引く。ドイツの作曲家・ブラームスの美しい名旋律を編曲して挿入する予定であり、師匠シューマンの妻クララへの愛がストーリーの柱となる。5月13〜16日、ソウル国立劇場・タルオルム劇場。
「プッチーニ版西部劇」で、米カリフォルニアを背景にした「西部の娘」も7月1〜4日、ソウル芸術の殿堂オペラ劇場で公演する。プッチーニの生前は「ラ・ボエーム」「トスカ」「蝶々夫人」とともに「プッチーニの4代作」として人気を博したが、死後「プッチーニ固有のスタイルと合わない」という理由でまれに公演されてきた作品だ。
8月12〜15日は、国立劇場のリモデリングと再開館を記念するヴェルディの「ナブッコ」が国立劇場ヘオルム劇場で公演される。ヴェルディの三番目のオペラであり出世作で、「ヘブライ奴隷たちの合唱」が広く知られている。10月7〜10日は今年で死去100周年を迎えたサン・サーンスの「サムソンとデリラ」を、12月2〜5日はプッチーニの「ラ・ボエーム」とともにオペラの代名詞であるヴェルディの「ラ・トラヴィアータ」をソウル芸術の殿堂オペラ劇場の舞台に上げる。
国内オペラフェスティバルの象徴になった大邱オペラフェスティバルは、8月25日〜11月7日まで開かれる。ロシア国民音楽派の巨匠ボロディンの「イーゴリ公」などの全幕オペラ6作品と4回のコンサートが開かれる。
ソルオペラ団が11月に公演するボロディン「イーゴリ公」も、大型海外協力作品として注目を集めている。ロシア・マリインスキー劇場の声楽家や合唱団、サンクトペテルブルク・ミュージックホールのオーケストラや現地のバレエ団など、200人あまりが来韓する大型プロジェクトだ。
ユ・ユンジョン文化専門記者 gustav@donga.com