失恋を呼び水にワールドスターになれたら? 初恋を永遠に手放すことができるだろうか。
2021年初のメガヒット曲が誕生した。「drivers license」のことだ。歌手は、米俳優オリヴィア・ロドリゴ(17)。8日に発表されて以来、「スポーティパイ」の世界チャート、米チャート1位を独走し続けている。ビルボードとUKシングルチャートも席巻した。ビルボードは分析記事で、「過去30年間、これほど独歩的な1位の曲はなかった。2位の曲を2倍の差で引き離している」と明らかにした。チャート初進入で1位となる「ホットなデビュー」を10代の女性新人歌手が果たしたのは、ビルボードシングルチャート史上初めてだ。
運転免許についての歌だ。「早く免許を取って彼氏を迎えに行こう」と夢を見ていた人のストーリー。免許は取ったが、いざ会おうとすると運転を応援していた恋人は離れてしまった。カギは、これが徹底的に現実のストーリーだったということ。さらに「ボーイフレンド」は、相手役のイケメン俳優だった。
ロドリゴは、ディズニープラスドラマ「ハイスクールミュージカル」の主人公だ。相手約の俳優ジョシュア・バセットと早くから熱愛説が取りざたされたロドリゴが、「あの金髪の女といるだろう」を歌詞に入れると、ネットユーザーらが推測ゲームに突入した。ちょうどバセットが、金髪歌手兼俳優のサブリナ・カーペンターとお茶を飲んでいる写真がウェブに流れた。パロディーやリメーク、歌詞の解釈がインスタグラム、TikTok、ユーチューブを盛り上げ、歌を聴くことを連日あおった。
楽曲とビジュアルの魅力も効果的だった。曲の長さは4分2秒で、最近のヒット曲の平均(2分30秒〜3分30秒)より長い。しかし、シートベルトの警告音、何度もテンポチェンジと雰囲気転換、童謡のように簡単なメロディーが細かいところまで布陣した。ビリー・アイリッシュ、フィービー・ブリジャーズ、ロード、最近のテイラー・スウィフトを思わせる「ダークポップ」トレンドに沿った虚無主義的ボーカルが、だんだん強くなる絶唱と共存する。
京仁(キョンイン)放送のパク・ヒョンジュンPDJは、「外見、声、楽曲がすべて魅力的なうえ、ストーリーテリングとニューメディアの力まで雪だるまのように加わり、爆発を起こした」とし、「アイリッシュ、ラッパー24kgoldnとともに2000年代生まれの時代の本格的な幕開けだ」と語った。
ディズニーが久しぶりに輩出したスーパースターでもある。ディズニーはこれまで、リンジー・ローハン、ヒラリー・ダフ、ザック・エフロン、シャイア・ラバーフ、ジョナス・ブラザーズ、マイリー・サイラス、サリナ・ゴメスなどをスターダムにのせた。しかし、デビュー曲ですぐチャートを席巻した例は珍しい。大衆音楽評論家のイ・デファ氏は、「スポーティーパイ2位のシーザーの『Good Days』もそうであるように、どの曲がどのような方式で話題になるか予測不可能になった。伝統的メディアが持っていた力が新しいメディアに分散し、ヒットの経路が多様化している」と話した。
イム・ヒユン記者 imi@donga.com