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意欲だけ先走る戦作権移管、懸念される韓米同盟の亀裂音

意欲だけ先走る戦作権移管、懸念される韓米同盟の亀裂音

Posted January. 30, 2021 08:14,   

Updated January. 30, 2021 08:14

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米国防総省が28日、「戦時作戦統制権は相互合意した条件が完全に満たされる時に移管される」とし、「特定の時期を約束することは、米国の兵士や人員を危険に陥れる恐れがある」と述べた。徐旭(ソ・ウク)国防部長官が27日、「私の在任中に戦作権の移管に向けて進展した成果がなければならない」として「時期」を強調したことを受け、米国が「条件」で応えたのだ。同盟国の長官の発言を米国が直ちに反論する態度に出ることは異例だ。

これは、バイデン政権の戦作権に関する初の立場表明であり、韓米が合意した条件が完全に満たされた時に移管するという米国の従来の立場が全く変わっていないことを意味する。韓米は韓国軍の核心軍事能力の確保、北朝鮮の核・ミサイル脅威への対応能力の具備、韓半島の安全保障環境など戦作権移管の3大条件に合意したが、米国はこのような能力が完備されたのか徹底して検討するというのだ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は18日の新年会見で、戦作権移管能力の検証と関連した3月の韓米合同軍事演習を「北朝鮮と協議することができる」と述べた。続いて徐氏が戦作権移管の進展を強調したことは、残る任期の間に米国から戦作権移管の時期と関連して具体的な立場を含む合意を引き出すという意欲を示したとみられる。

バイデン政権は、対北朝鮮制裁に中国とロシアも関与しなければならないとし、北朝鮮の圧力を強化している。戦作権の移管において対北朝鮮態勢の完備を条件に掲げるのは、北朝鮮に軍事的譲歩を簡単にしないという断固たる意志表示と読むことができる。さらに、戦作権移管に向けた運用能力の検証のためには合同軍事演習の実施が必要だが、新型コロナウイルスの感染拡大の国内状況も不透明だ。にもかかわらず政府は、戦作権の早期移管への意欲だけを前面に出している。

何より核の脅威を高めた北朝鮮が懸念される。トランプ政権時は、北朝鮮の核と長距離ミサイル実験の中止、大規模な韓米合同軍事演習の中止といういわゆる「双中断」で韓半島の緊張が管理されたが、米政権の交代で状況が変わる可能性もある。このような状況で、バイデン政権発足から10日も経たずして安全保障をめぐって韓米間で摩擦音が生じ、対北朝鮮政策での協力体制が懸念される。いくら大統領選の公約だとしても、任期内の戦作権移管に焦りだけを見せては、韓半島の安全保障に穴をあける災いを招きかねない。