選挙を目前に与党と政府のトップを率いて加徳島を訪問した文大統領

文在寅（ムン・ジェイン）大統領は２５日、東南圏メガシティ構築報告大会が開かれた釜山（プサン）を訪れた。文大統領はこの計画の核心である加徳島（カドクト）新空港建設候補地を訪れ、関連報告も受けた。文大統領は、「新空港ができれば、空の道と海の道、陸の道が出会って、世界的な物流ハブになるだろう」と述べた。報告会には、与党「共に民主党」の李洛淵（イ・ナクヨン）代表、全海澈（チョン・ヘチョル）行政安全部長官、金慶洙（キム・ギョンス）慶南道（キョンナムド）知事、洪楠基（ホン・ナムギ）経済副首相ら与党・政府・大統領府のトップらが揃って参加した。野党「国民の力」は、「４・７釜山市長補欠選で与党を支援するための大統領の露骨な選挙介入」と批判した。

時期が時期なので、文大統領が加徳島を訪問したのは適切でない。与党は、大統領が訪問する前日、加徳島新空港の早期建設を含む「釜山地域５大核心公約」を発表した。今日の本会議では、予備妥当性調査を免除する特例条項が含まれた加徳島新空港特別法を強行処理すると述べた。結局、文大統領の加徳島訪問は、政府次元の全面的な支援を保証したことになる。４０日後に迫った釜山市長選の介入論議を自ら招いたのだ。

公職選挙法は、選挙が迫っている時に公務員が選挙に影響を与える行為をすることを厳しく禁止している。大統領は、民主党員である前に政治的中立の義務を順守しなければならない行政府のトップだ。憲法裁判所も、選挙活動と関連して、大統領の政治活動の自由と選挙中立の義務が衝突する場合、中立の義務を強調した。与野党が激突する敏感な時期ならなおさら大統領の動線一つ一つに格別の注意が求められる。

　

加徳島特別法の処理を控え、国土交通部は加徳島新空港の建設費用を釜山市が予測した７兆ウォン規模をはるかに上回る２８兆６千億ウォンと推算した。加徳島新空港が事業費の増加で事業規模の縮小などの論議が予想されると指摘したのだ。企画財政部と法務部も、違法性や公平性問題を提起した。加徳島新空港のような大規模国策事業を推進して省庁ごとに経済性や環境影響評価、国土発展の展望などを詰めた結果だ。同じ政府の省庁でこのような問題が提起されたなら、優先的に適切かどうかを徹底して点検し、代案を模索するのが正しい態度だろう。にもかかわらず、党・政・大統領府が意に介さず強行の信号を送ったなら、補欠選の票に目がくらんで、合理的な国政運営に背を向けたという指摘を避けることはできない。