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現代自の蔚山工場、車両用半導体の需給ひっ迫で「特別勤務」を縮小

現代自の蔚山工場、車両用半導体の需給ひっ迫で「特別勤務」を縮小

Posted March. 01, 2021 08:05,   

Updated March. 01, 2021 08:05

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現代(ヒョンデ)起亜(キア)自動車が3月の週末や休日の特別勤務を大幅に減らした。車両向け半導体の需給ひっ迫で、事実上の生産調整に乗り出している。現代自の電気自動車専用プラットフォーム「E-GMP」を搭載した最初の車「アイオニック5」の生産にも影響が出る恐れがある懸念する声が上がっている。

自動車業界によると、現代自の蔚山(ウルサン)工場は最近、販売生産会議を通じ、3月1日に特別勤務をせず、3月の週末特別勤務も大きく減らすことにしたという。特別勤務とは人気車種の需給などに合わせるために、週末や休日も生産勤務をすること。大型スポーツユーティリティ車両(SUV)のパリセードやジェネシスブランドといった主力車種は、ほぼ特別勤務を続けてきたが、最近、車両向け半導体の需給がひっ迫し、生産台数調整のため特別勤務を減らしたのだ。

蔚山(ウルサン)第2工場(GV70とGV80)や第3工場(アバンテ、ベニュー)、第5工場(G90、G80、G70、ネクソー、ツーソン)の一部ラインは、3月には最初から特別勤務を行わないか、半導体の需給状況を週単位で判断して決めることにした。従来は、月単位で特別勤務日程を決めていた。

パリセードを生産する第4工場の1ラインだけが6日と13日に特別勤務をし、ポーターなどを作る第4工場の2ラインは最初から特別勤務がない。起亜光州(クァンジュ)工場の第3工場(ワゴン・トラック生産)も、3月は特別勤務をしない。起亜華城(ファソン)工場も、従業員たちに「主力モデルのソレントやニロに搭載される半導体部品の需給問題で一部ラインの3月の特別勤務を実施できない」と公示した。

自動車メーカーの関係者は、「特別勤務は普通1ヵ月の単位で日程を組むが、週単位で日程を組むのは半導体需給状況が深刻であることを意味する」とし、「韓国GMも先月に特別勤務を調整してから、数週間後に富平(プピョン)第2工場の生産台数削減などの措置を行った。現代自・起亜自も特別勤務を減らすだけでは問題解決に限界がある」と話した。

業界では、半導体不足の状況が続けば、現代自の未来電気車「アイオニック5」の量産にも支障が生じるのではないかと懸念する声があがっている。アイオニック5は、国内販売の事前契約が初日だけで2万3700台、欧州の事前契約は初日にあてられた3000台が完売されるほど人気を集めている。アイオニック5は4月に顧客に初めて引き渡される見通しだ。しかし、車両向け半導体の需給ひっ迫が続けば、顧客への引渡し時期が遅れる可能性もある。2019年に発売された人気車種のパリセードは、生産に問題がなかった時期だが契約から引渡しまで6ヵ月間がかかった。自動車業界の関係者は、「電気自動車には内燃機関車より数十、数百の半導体が多く搭載される。需給逼迫が続けば、アイオニック5の生産も遅れざるを得ない」と話した。

台湾のTSMCをはじめ半導体のファウンドリーメーカーは新型コロナ以降、スマートフォン、パソコン、テレビなどの需要が増えると、IT機器用半導体の生産に集中した。マージンの少ない車両向け半導体の生産を後回しにし、昨年末から車両向け半導体の需給が不安になり始めた。欧州と日本のメーカーが半導体を購入できず、工場の稼動を停止したりもした。

現代・起亜自は、今年1四半期(1~3月)に使える量の車両用半導体を確保しており、需要の多い車種に集中する方式で需給調節をしてきたが、結局不足事態は避けられなくなった。すでに現代自のロシア生産法人(HMMR)は、小型SUV「クレタ」の量産日程を延期する案を検討している。海外でもトヨタやフォルクスワーゲン、ステランティス、フォード、ルノー、スバル、日産、ホンダ、マツダなど世界の主要メーカーが生産に影響を受けている。米テスラもこの2週間、セダンの「モデル」3の生産を中断したという。


ピョン・ジョングク記者 bjk@donga.com