クーデターが起こって1ヵ月が経った1日、ミャンマーの抗議デモが全国各地で起こった。1日前、治安部隊の発砲で少なくとも18人が死亡する「血の日曜日」となったが、屈することなく立ち向かっている。この1ヵ月間で少なくとも30人が治安部隊の鎮圧で死亡し、1132人が逮捕されたと、ミャンマーの人権団体、政治犯支援協会(AAPP)が明らかにした。
ロイター通信などによると、デモ隊は1日、最大都市ヤンゴンをはじめ主要都市で軍部が拘束したアウンサンスーチー国家顧問の写真を持って、「民主主義」を叫んで行進した。ヤンゴンの主要道路の地面にはクーデターを主導したミンアウンフライン国軍最高司令官の写真と「決して許さない」と書かれた印刷物が貼られた。治安部隊は、放水車や軍用車両などを使って強硬鎮圧を続けた。
アウンサンスーチー氏は同日、首都ネピドーの裁判所で行われた公判にビデオ会議方式で出廷した。アウンサンスーチー氏には、「恐怖や警戒を引き起こす」恐れのある情報の公開を禁じた刑法に違反した容疑で訴追された。
デモ鎮圧の犠牲者の話しもソーシャルメディアを通じて次々に伝えられた。先月28日、ヤンゴンで胸に銃弾を受けて死亡したニ・ニ・アウン・テン・ナインさん(23)は死の前日、ソーシャルメディアに「国連が行動に出るのに、どれだけ多くの死体が必要なのか」と書き込んだ。前日、2大都市マンダレーで道を歩いていて治安部隊の銃撃に遭って死亡した女性は、一人で幼い子どもを育てていたという。
ジェイク サリバン 米大統領補佐官(国家安全保障担当)は先月28日、声明を通じて、犠牲者の遺族に弔意を示し、軍部に対する追加制裁を警告した。ブリンケン米国務長官もツイッターで、ミャンマー治安部隊による「市民への忌まわしい暴力を非難する」と表明し、責任者の追及を続けると明らかにした。ミャンマーの人権状況を担当する国連のトム・アンドリュース特別報告者は、ミャンマーへの武器の禁輸や軍政所有の企業への制裁などを国際社会に求めた。欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表も、「EUがこのような状況に対応し、手段を講じる」と制裁を予告した。
趙鍾燁 jjj@donga.com