エジプトのスエズ運河で大型のコンテナ船が座礁し、多くの船舶の運航が麻痺した中、復旧作業も遅れており、世界の物流の被害が懸念されている。
25日、アルジャジーラによると、幅59メートル、長さ400メートル、22万トンの大きさの超大型コンテナ船「エバーギブン」が23日午前7時40分頃、強風で座礁し、運河を塞いで3日が経ったが、復旧作業は進展していない。25日現在、運河付近で待機する船舶は約200隻に増えているという。
ブルームバーグによると、当初25日に予定された復旧作業がスピードを出せていないという。事故船舶の規模があまりにも大きいうえ、一部が砂浜にのめり込み、移動させることが容易でないという。スエズ運河庁(SCA)は、水深が深まる満潮に合わせて船体の下の砂を汲み出して船を移動させる作業を進めている。ブルームバーグは、満潮が最も高くなる28、29日に、一部の復旧作業が可能だと報じた。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、このような作業が計画どおり進まなければ、コンテナの荷を下ろして船の重量を軽くする必要があると伝えた。コンテナの荷を下ろすにはクレーンが必要だが、この場合、復旧まで数週間がかかる。スエズ運河では2004、16、17年にも船舶の事故で通行が一時支障を来たしたことがあるが、今回は事故船舶が超大型だったため、復旧作業が難航している。
予想より復旧が遅れ、世界の原油およびガス供給への支障が懸念されている。原油分析会社ボルテクサ(Vortexa)は、今回の事故で1300万バレルの原油を運ぶタンカー10隻の運航に支障が出ると見通した。事故の影響で、国際原油価格も上昇した。24日、ニューヨーク商品取引所の米国産標準油種(WTI)5月物は、前日より1バレル当たり5.9%上昇し、61.18ドルで取★引きを終えた。
林賢錫 lhs@donga.com