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「苦難の行軍」決心の金正恩氏、住民が餓死しても核を放棄しないということか

「苦難の行軍」決心の金正恩氏、住民が餓死しても核を放棄しないということか

Posted April. 10, 2021 08:04,   

Updated April. 10, 2021 08:04

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が8日、党細胞書記大会の閉会のあいさつで、「厳しい『苦難の行軍』を行うことを決心した」述べ、「偶然の機会を信じたり、何かに期待したりすることはない」と付け加えた。「苦難の行軍」は1990年代、金日成(キム・イルソン)主席の死去後、国際的な封じ込め措置と自然災害が重なり、北朝鮮で数十万人の餓死者が発生した時期を象徴する言葉だ。

正恩氏のこのような発言は、バイデン米政権との対話に簡単には応じないという圧迫戦術の一環とみられる。長期的な孤立も辞さないとし、米国が新たな対北朝鮮政策に譲歩案を含めるよう迫っているのだ。

これに先立ち、ホワイトハウスは7日、「非核化に向かう道につながるなら、一定の形の外交を考慮する準備ができている」と述べた。非核化の目標を「前提」に対話を始めることができるという提案だった。しかし、正恩氏は30年前の「苦難の行軍」を掲げた。これは、北朝鮮住民の深刻な苦痛、さらには大規模な餓死状況が訪れても核を絶対に手放さないという発言に相違ない。その一方で、「人民に最大限の物質・文化的福利をもたらすため」というレトリックで「苦難の行軍」を繕った。詭弁と言わざるを得ない。

正恩氏は、1万人の党の末端組織の幹部を集めて、住民に対する思想統制を強調した。民心離れの監視と処罰が目的だ。しかし、内部の引き締めを強めれば強めるほど、反発は大きくなるほかない。以前の「苦難の行軍」の時も、北朝鮮の集団主義と主体思想の価値観が揺らぎ、資本主義的現象が拡散した。住民が飢えから生き延びるために、副業や市場経済に飛び込んだのがまさにその時だ。

北朝鮮の古い圧迫戦術が通用する可能性は低い。バイデン政権には対北朝鮮事案のベテランが布陣している。いざという時には、難解な北朝鮮核問題を後順位に回す可能性もある。正恩氏が「苦難の行軍」を強行するなら、米国の譲歩を取りつけるどころか経済破綻という最悪の状況を招くことになるだろう。