先月25日、咸鏡南道咸州郡(ハムギョンナムド・ハムジュグン)の連浦(ヨンポ)飛行場で発射された短距離弾道ミサイル「北朝鮮版イスカンデル(KN23)改良型」が、下降段階で「プルアップ(急上昇)起動」したと、韓米情報当局が暫定的に結論づけたことが確認された。韓国軍の監視網を避け、北朝鮮の主張どおり600キロ飛行したことが事実であるとみられている。
11日、政府筋によると、韓米情報当局は韓国軍の弾道弾早期警報レーダーに捉えられた上昇段階の軌跡と日米の衛星・レーダーなどに捉えられた最終落下段階の軌跡を分析した結果、KN23改良型が「プルアップ起動」したと暫定的に結論を下した。「推進力・方向制御用小型推進機」で、下降段階で低高度水平飛行後、急上昇する変則飛行をしたと、韓米は判断している。韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)によって韓日も情報を共有したという。KN23改良型の発射当日、韓国軍レーダーには射程距離が450キロと捉えられたが、北朝鮮は翌日、「低高度滑空跳躍飛行方式の変則的軌道の特性を再確認した」とし、600キロ飛行したと主張した。頂点高度(60キロ)まで飛行して下降し、20キロ以下の低高度で150キロほど変則起動したが、地球曲律のために見逃したのではないかという指摘が出ると、軍は分析・評価中だと明らかにした。
KN23改良型は、2019年7月に咸鏡南道の虎島(ホド)半島で発射したKN23と同じ射程距離(600キロ)を飛行した。北朝鮮がKN23系列を600キロまで飛行させたのはこの2度だけだ。ある消息筋は、「2つとも最大射程距離をテストしたとみられる」とし、「射程距離は同じだが、改良型は弾頭重量を2倍以上増やし、戦術核の搭載など攻撃力を強化したとみられる」と話した。
一方、KN23改良型の発射当時、韓国軍イージス艦3隻のうち1隻も出動しなかったことが分かった。通常、1隻は作戦(出動)、残りの2隻は停泊、整備をするが、当時は3隻すべて停泊、整備中だったという。このため、挑発初期の確認および射程距離の判断に支障があったのではないかとみられている。
尹相虎 ysh1005@donga.com