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「全方面からの中国牽制」で一致した日米、訪米を控えた文大統領に積もる難題

「全方面からの中国牽制」で一致した日米、訪米を控えた文大統領に積もる難題

Posted April. 19, 2021 08:22,   

Updated April. 19, 2021 08:22

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バイデン米大統領と菅義偉首相が16日、ワシントン首脳会談で中国への牽制と北朝鮮の非核化で緊密に協力することで意見が一致した。両首脳は、インド太平洋の強力な2つの民主主義国家として中国の挑戦と東・南シナ海、北朝鮮問題の対応で協力する。韓米日協力の強化も明らかにした。さらに、両国は、第5世代移動通信システムと半導体供給網、人工知能(AI)などの技術分野を含め、安全保障と経済を網羅する包括的な協力を約束した。

 

今回の日米首脳会談の結果は、米外交の最優先順位がアジアに、すなわち中国牽制に移ったことを再度確認させる。米国はすでに国務・国防長官の初の歴訪外交を日本と韓国から始めたのに続き、大統領の就任初の対面会談の相手に日本を選んだことで、中国包囲のスクラムを組む考えを明確に示した。何より今回の日米首脳は、安全保障と経済を越えて先端技術と人権、価値分野まで広がる全方向の中国牽制に向けて協力することをアピールした。

強化された日米関係は、1ヵ月後に予定された韓米首脳会談にも影響を及ぼすだろう。米国は、韓国にも同じ水準の中国牽制路線への参加を求める可能性が高く、米中の間で綱渡り外交をしてきた韓国のジレンマは大きくなるほかない。中国は直ちに、日米首脳が敏感な台湾海峡問題を取り上げたことを受け、「中国の内政を干渉した」と強く批判した。韓国としては、米国側についた日本の選択をただ他人事と眺めていられる立場ではない。

日米の密着によって、近く出される米国の新たな対北朝鮮政策だけでなく、韓日関係の改善に向けた米国の仲裁の役割にも日本の影響が強まるだろう。菅氏が、北朝鮮に対する「すべての大量破壊兵器と弾道ミサイルのCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄)」を言及したのも、訪韓したジョン・ケリー米気候変動担当特使が日本の原子力発電所の汚染水海洋放出と関連して「米国が介入するのは不適切」と線を引いたのも、韓国外交をコーナーに追い込んでいる。

 

政府では、韓米同盟を中心にしながらも、最大貿易国の中国との関係を維持し、北朝鮮の核も交渉で解かなければならないという難題を抱えている。しかし、米中対立が激しくなればなるほど、不明瞭な綱渡り外交では、どの問題も解決できないまま部外者に押し出されるほかない。何より同盟と声を一つにできないなら、不信と排斥を生むだけだ。国際的ルールと原則にともなう協力と連帯の精神を確認し、行動の幅を調整する賢明な同盟外交が切実な時だ。