欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長が、米製薬大手ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)にメールを送り、電話をかけるなどして信頼を築いたことで、EUがファイザーの新型コロナウイルスワクチンを大量に確保することに成功したと、米ニューヨーク・タイムズが28日(現地時間)付で報じた。
EUは、2023年までにファイザーのワクチン18億回分を受け取ることになり、今週中に契約を締結する予定だ。ファイザーワクチンの単一供給契約では最大規模だ。世界各国がワクチン不足で苦しむ状況で、EUとしては恵みの雨のような知らせだ。
フォンデアライエン氏の「個人外交」がファイザーとの契約成功に大きな役割を果たしたと、同紙は評価した。ブーラ氏は同紙に、「大統領や首相、国王など世界の指導者が私に(ワクチンを求めて)手を差し出す」とし、「フォンデアライエン氏とは深く議論し、互いに深い信頼ができた」と話した。ブーラ氏はまた、フォンデアライエン氏について、「変異ウイルスを含めすべての細部事項を知っていた。それで深い話ができた」と伝えた。同紙は「今回の契約は、(政治家の)政治的生存努力と企業の販売戦略が合致した結果」と評価した。
2人が初めて連絡を取ったのは今年1月。ブーラ氏はベルギー生産施設のアップグレードによるワクチン供給の支障をフォンデアライエン氏に説明した。その後2人はメールや電話をやりとりして関係を築いた。2月に入って、EUが依存していたアストラゼネカの供給遅延の問題が発生し、フォンデアライエン氏の危機対処リーダーシップに疑問を呈する声も出た。この時、ブーラ氏と培ってきた関係が力を発揮した。同紙は、「フォンデアライエン氏は1ヵ月ブーラ氏とメールや電話をやりとりし、これがワクチン契約という成果につながった」と伝えた。EUは2月17日、ワクチン2億回分を契約し、今月19日には1億回分を追加確保することができた。
趙鍾燁 jjj@donga.com