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米FRBが「資産価値の下落」を警告、速くなったバブル崩壊時計

米FRBが「資産価値の下落」を警告、速くなったバブル崩壊時計

Posted May. 08, 2021 08:07,   

Updated May. 08, 2021 08:07

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米連邦準備委員会(FRB)は一昨日、「市場の『リスクを好む現象』が消えれば、資産価格がかなり下落する可能性がある」という報告書を発表した。その前日はゲーリー・ゲンスラー米証券取引委員長が個人投資家の超短期投資規制の方針を明らかにした。「経済が過熱しないように、金利が多少上がるべきかもしれない」というジャネット・イエレン米財務長官の発言に続き、3日連続で米経済最高位関係者の口から資産と実体インフレ(物価上昇)に対する警告が出たのだ。

FRB金融安定報告書の表現は直接的だ。「高い資産価格は、一定部分低い国債収益率(利回り)を反映するが、一部資産の評価価値は歴史的基準と比較しても高い状態」とした。米個人投資ブームをけん引した無料株式取引アプリ「ロビン・フッド」を狙って、「株式投資をゲームのようにした」と批判したゲンスラー委員長の発言も、株式市場の過熱ぶりを沈静化させる狙いがはっきりしている。

一連の動きは、世界経済に衝撃を与える行動を本格化する前に、米金融当局が過度な市場の熱気を取り除く作業に着手したことを示唆している。米国の早い新型コロナワクチンの接種や景気回復でインフレの可能性が高まり、当初、来年末に予想された量的緩和の縮小や金利引き上げの時期が、早ければ年内に繰り上げられるだろうという市場予想とも一致する流れだ。4月の消費者物価の上昇率が3%を超え、今年の成長率は1984年以降初めて7%台になるだろうという観測が出るほど、米国の回復振りははっきりしている。

米国経済が方向を変えれば、他の国の中央銀行は資金の流出を防ぐため、金利引き上げについて悩まざるを得ない。それなのに韓国では低金利に頼った「過度な投資」「借金投資」で2030世代が株式、仮想通貨への投資を拡大するなど、資産バブルがさらに拡大している。第1四半期にソウルのマンションやオフィステル(事務所)を購入した人のうち20代や30代が37%にのぼるほど、住宅の「パニックバイイング」も続いている。

低金利時代が終われば、昨年末にすでに国内総生産(GDP)規模に迫るなど、危険なレベルを超えた家計負債が、個人の生活を脅かすことになるだろう。こうした点を意識して、政府は最近、家計負債対策を打ち出したが、新型コロナの長期化で増えているゾンビ企業の構造調整などは始めることさえできなかった。個人や企業、政府は共に、バブル崩壊時代に備え、体力を再点検しなければならない。