「私たちの結婚生活には3人がいて、ちょっと窮屈だった」
1995年11月の英国の公共放送BBCのインタビューで、チャールズ皇太子(72)の不倫を認め、大きな波紋を巻き起こした故ダイアナ皇太子妃(1961~97)のインタビューが、当時、マーティン・バシャー記者(58)がだまして行われたことをBBCが認めた。このインタビューは約2300万人が視聴し、皇太子夫妻の離婚、パパラッチの追跡によるダイアナ妃の死に大きな影響を及ぼしたとみられている。
昨年11月からBBC側の依頼を受けてインタビューをめぐる疑惑を調査してきたジョン・ダイソン元判事は20日(現地時間)、報告書を通じて、「バシャー氏が不適切に行動し、BBCの編集基準を深刻に違反した」と明らかにした。BBCも、「公共放送の倫理と透明性の基準に届くものではなかった。無条件で謝罪する」と発表した。
当時4年目の記者だったバシャー氏は、インタビューを成功させるために、ダイアナ妃の弟チャールズ・スペンサー氏に会った。バシャー氏はスペンサー氏に、「王室関係者が金を受け取って、ダイアナ妃の情報を横流しした」とし、偽造した銀行口座の取引明細を見せた。ダイアナ妃の電話も盗聴されているとし、このような脅威から脱するためにもインタビューに応じなければならないと迫った。昨年11月、インタビューの放映から25年が経ち、スペンサー氏が「バシャー氏がだまして、インタビューが行われた」と主張して波紋が広がり、元判事のダイソン氏による独立調査が立ち上がった。
バシャー氏は1964年にロンドンでパキスタン系移民の子として生まれ、無名のフリーのスポーツジャーナリストとして活動していた。BBCに移った直後、ダイアナ妃をインタビューし、これを機に有名になった。バシャー氏は先週、ダイソン氏がBBCに調査報告書を提出する直前、健康を理由に退社した。ダイアナ妃の息子のウィリアム王子(38)とヘンリー王子(36)は20日、それぞれ声明を発表し、「詐欺的な手段によるインタビューが両親の関係を悪化させ、多くの人を傷つけてきた。母の命まで奪った」とBBCを批判した。
金潤鍾 zozo@donga.com