今回のイスラエルとハマスの紛争で、飛んでくるロケット砲弾を迎撃するイスラエルのアイアンドームの活躍は印象的だった。そのアイアンドームもまもなくレーザー防衛に取って代わられるという話もある。SF映画で見た兵器が目前に迫る。
戦争は歴史を変え、社会を変える。戦争を変える要素が兵器だ。ある地域を占領するのに途方もない人命と財力が要求されるなら、国家は征服よりも妥協と共生を模索する。新しい兵器が発明され、その難関を解決してくれるのなら、妥協よりも戦争を選ぶ。歴史で実際にこのような事が多く起こった。
戦争と歴史を変えた兵器として言及されるリストがある。弓、火薬、銃と大砲、航空機、潜水艦、原爆などだ。おかしなことに、このリストでよく抜ける重要な兵器が投石機だ。石を飛ばすという意味で発石車とも言い、抛車とも言った。西洋ではカタパルト、オナガー、トレビュシェなどと呼ばれた。機械構造によって名称が変わるのが特徴だ。反対に、中国では人が紐を引く人力式だった。
投石機は、攻城用兵器だけでなく、守城用、対人兵器としても使われた。しかし、攻城具の役割が重要だ。衝車、雲梯などの様々な兵器があるが、攻城具が登場する前は城を攻略することは容易ではなかった。そのため、征服と国家形成が遅れた所もある。
攻城具は、機械装置の発達にも影響を及ぼした。攻城具の基本原理はテコの原理だが、人材が不足した西欧では、歯車とウィンチを利用した機械式テコを発達させたが、これはぜんまい仕掛けを生み、近代の機械工業、精密工業に発展する。ぜんまいと機械が東洋と西洋の近代史を変えた決定的な要因だと見る人もいる。
戦争が技術発達を促進する。だからといって「戦争も有益だ。肯定的だ」という意味ではない。尻に火がついてこそ動き、泥棒を見て縄をなうことが数千年間の戦争と災いを体験しても変わらない人間の属性ゆえにである。