米国が来年6月までに5億回分の新型コロナウイルスワクチンを92の低所得国やアフリカ連合(AU)に提供する計画だと、米メディアが9日(現地時間)、報じた。提供されるワクチンはファイザー・ビオンテック製ワクチンで、今年に2億回分、来年6月までに3億回分を供給する計画だ。米政府はこの数週間、ファイザー側と購入交渉を行った。ワクチンは全て、途上国などにワクチンを提供する国際枠組み「COVAX」(コバックス)を通じて各国に伝えられる。
バイデン米大統領は、11日から英国で開かれる主要7ヵ国首脳会議(G7サミット)で、このようなワクチン提供計画を説明するという。米メディアは、この席にファイザーのブーラ最高経営責任者(CEO)も予定だと伝えた。これに先立ち、米国は6千万回分のアストラゼネカ製ワクチンと2千万回分のファイザー、モデルナ、ヤンセン製ワクチンの計8千万回分を海外に提供することを明らかにしていた。
米国はまた、世界に提供する目的で、モデルナとワクチン購入交渉を追加で行っているという。CNBC放送は、米政府がモデルナと交渉を行っており、ファイザーと同様の量だと報じた。この契約が成立すれば、追加で5億回分が世界に供給される。
米国のファイザー製ワクチン5億回分の提供決定は、これまで自国民の接種だけに関心を寄せ、他国のことは考えないという国際社会の批判が強まっていた中で出てきた。米国はすでに成人の64%が1回以上の接種を終え、今はワクチンの行き届いており、有効期間が過ぎたワクチンを廃棄しなければならない状況だ。
兪載東 jarrett@donga.com