ユーロ2020が真っ最中の欧州サッカー界の視線は、一人の選手に集まっている。13日、ユーロ2020デンマークとフィンランドの1次リーグ試合途中、心停止で倒れたデンマーク代表MFクリスティアン・エリクセン(29=インテル・ミラノ)だ。
幸いにエリクセンは命拾いをした後、回復中だという。デンマーク・サッカー協会は14日、声明を発表し「エリクセンの状態は安定している。エリクセンと直接言葉も交わした。チームメイトへの挨拶の言葉も伝えた。みんなからもらった心からの激励のメッセージに感謝する」と伝えた。
全世界のサッカー界ではエリクセンの快癒を祈る応援メッセージが相次いでいる。この日、イングランドとクロアチアのユーロ2020グループリーグD組初戦が行われた英国ロンドンのウェンブリー・スタジアムでは、ある子どもファンが「すぐに回復してね、エリクセン」と書かれた紙を振って注目を集めた。他の競技場でも状況は同じだった。
イタリアのセリエAでエリクセンと一緒にプレーしているクリスティアーノ・ロナウド(ユベントス)はソーシャルメディア(SNS)で、「エリクセンとその家族のために祈る。全世界が吉報を待っている。再び競技場に戻ってくることを信じている」とのメッセージを投稿した。
トッテナム・ホットスパー(イングランド)時代にエリクセンを指導したASローマ(イタリア)のジョゼ・モウリーニョ監督は、「涙を流しながら状況を見守って祈った。今日は悲しい日ではなくお祝いの日だ。幸いにも体調は良好だと聞いた」とし、彼の回復の知らせに喜んだ。13日、レバノンとのW杯アジア2次予選でゴールを決めた後、エリクセンに向かって「頑張って。愛してるよ」と伝えた孫興民(ソン・フンミン=トッテナム)について、地元メディアは「感動的な瞬間だった」と報じた。
一方、エリクセンは応急心肺蘇生法を受ける前に死亡状態だったという。デンマーク代表チームのチームドクターは、英BBCなどとのインタビューで「エリクセンは心停止で死亡状態だった。素早く除細動器(AED)を使ってエリクセンを救った」と当時の状況を説明した。
イタリアのスポーツ紙「ガゼッタ・デッロ・スポルト」は、エリクセンが病室でデンマーク監督に伝えたメッセージを紹介した。エリクセンは、「ありがとう。僕は絶対に諦めない。だんだんよくなっている。どんな状況が起こったのか知りたい」と話したという。
兪載泳 elegant@donga.com