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拒絶された贈り物

Posted July. 09, 2021 08:29,   

Updated July. 09, 2021 08:29

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秀でた文学的素養と音楽的技芸で唐の玄宗の寵愛を受けた後宮の江采蘋。梅を好んだ彼女を皇帝は梅妃と呼んだ。ところが、皇帝の寵愛が楊貴妃に移り、梅妃は皇帝の目から遠ざかり、内宮に閉じこもるように寂しい歳月を送った。捨てられた悲しみよりも、長い忘却の歳月を耐えなければならないことが苛酷な試練だっただろう。梅妃は、化粧も身なりを整えることも拒み、寂寥たる日々を涙で過ごした。ある時、皇帝はひそかに梅妃に会おうとしたが、楊貴妃の妨害で叶わないと、代わりに贈り物を送って梅妃を慰めようとした。皇帝からの贈り物であっても、身なりを整えることをあきらめた女性に真珠が何の意味があろうか。梅妃は、長く長門宮に幽閉され、ついに病死した前漢の武帝の最初の皇后、陳皇后に自身のみじめな境遇を投影し、贈り物を断る。

玄宗がすっかり忘れていた梅妃を思い出したのは、安史の乱が静まり、楊貴妃が逝った後だった。人伝に聞き、やっと捜し出したのが梅妃の肖像画だった。こみ上げる悔恨を込めて皇帝は、「梅妃の肖像に送る詩」を作った。「紫宸宮にいた美しい梅妃が恋しい。化粧をしなくても持って生まれた美貌だ。白い絹の中の肖像が当時の姿と似ているが、如何せん、美しい瞳の人を見違えるのだから」。寵愛した人の美しい姿を蘇らせようとする思いが切実だ。しかし、失寵の虚しさを癒そうとした梅妃の心は依然として推しはかれずにいる。

成均館(ソンギュングァン)大学名誉教授