詩を読みに来た方々は、みな詩の客だ。お客様には一杯の水でも、心を込めて、澄んだお茶でも季節に合わせてお出しするものだ。だから春は花と蝶の詩を、冬は白い雪と寂しさを用意したりした。だから今日、「星が輝く」詩を用意したのはおかしくない。おそくまで星を見上げる季節は夏の日だから。ひいては柿の木の物語を準備したのも、早すぎることはない。もうすぐ秋が来るから。私たちは秋を待っているところだから。
胸を打つこの作品は、詩人の最近の詩集に入っている。そこで最も美しい作品だと断言できる。詩人の亡くなった父親がここに登場する。田舎町の柿の木には柿がたくさん実っているらしい。それを父は愛し、息子はめんどうくさがった。父が死んだ後、母は柿を放棄した。「お父さんもいないのに、あの柿を取って何をするんだ」。夫の空席、悲しみ、虚しさ、憂鬱なことが、ぶっきらぼうな言葉に満ちている。時にはこんな悲しみは、星になったりするようだ。詩での星が、実際の星ではないことを我々は知っている。その星は詩人の木、父親が愛した柿の木、そんな父親を愛した母親の心にだけ浮かんでいる。
詩人の母は、父に従うようにまもなく亡くなったと聞いた。母の墓を作るように詩集を作ったという。それで、私は詩集をめくりながら、長い間、柿の木の安否を確認するしかなかった。心をのこぎりで切ったら痛いんじゃないかと心配しながら。私も詩人のように泣くことになるだろうにと言いながら。