現代化した国楽がミュージカルと出会い、MZ世代を公演会場に集めている。公演会場を訪れる若者世代に国楽はもはや堅いジャンルではなく、一度は感じたい「ヒップな」ジャンルに浮上している。昨年、旋風を巻き起こしたバンドLEENALCHI(イナルチ)の「Tiger is Coming(虎がやって来る)」と国楽のリズムが出会った創作ミュージカル「SWAG AGE: 叫べ、朝鮮!」がこのような変化に多くの影響を与えた。公演制作者、作曲家も国楽器を活用した「国楽フュージョン」で多様な音楽実験をしている。
ソウル中区の貞洞(チョンドン)劇場のミュージカル「パン」は、最近10~30代の観客層から人気だ。今年で3回目のシーズンを迎え、先月27日に開幕した作品は、19世紀の朝鮮時代を背景に小説を読むことを生業とする「傳奇叟」が最高の噺(はなし)家になる過程を描いた。風刺、ユーモア、興を含む劇のさらなる魅力は、まさに国楽器の活用が際立つナンバー。
ある10代の観客は、「国楽パーカッション(打楽器演奏)がいい。人形劇とパンソリがよく合っているのが珍しくて良かった」という反応を示した。ある20代の観客も、「国楽、パンソリ、マダン劇など伝統的な素材とミュージカルのジャンルが大変よく合って驚いた」という観覧評を残した。貞洞劇場のパク・ジンワン広報マーケティングチーム長は、「貞洞劇場には中高年の観客も多く訪れるが、国楽と結合した公演へのMZ世代の観客の反響が予想より良く、驚いた」とし、「若者層の増加も目につく。全体の観覧客の15%を超えるようだ」と話した。
18日に開幕する京畿(キョンギ)シナウィオーケストラのミュージカル「金楽」では、国楽を活用した音楽的実験も見ることができる。国楽を基盤とする団体がミュージカルに飛び込んだのはまれだ。新羅時代から密かに伝えられ禁止された楽譜「金楽」をめぐる話で、ファンタジー史劇ミュージカルだ。
「国楽界の異端児」と呼ばれるウォン・イル芸術監督が演出を務め、ジャズドラマーのハン・ウンウォン氏が音楽監督を担った。ハン氏は、「『シナウィ』は国楽を基盤とするが、どんな声とも合うことができるという意味がある。国楽器に電子音楽、アンビエンス音楽まで結合して国楽が国楽に聞こえない実験も見せる予定だ」と話した。
これに先立ち、国楽を軸にレゲエ、ヒップホップ、ロック、スイングジャズなどを結合したミュージカル「SWAG AGE」で大きな人気を得た作曲家のイ・ジョンヨン氏は、「国楽と結合する作業は初めは半信半疑だったが、国楽の色彩が大衆音楽に合わさった時、途方もない興が沸いてくるのを感じた。『国楽はいくらでも洗練され得る』という確信を得た」と話した。
来月17日の初公演を控えたミュージカル「朝鮮三銃士」も期待を集めている。世宗(セジョン)文化会館のソウル市芸術団が合作したこの作品では、ソウル市ミュージカル団の団長ハン・ジンソプ演出家とイ・ミギョン劇作家、チャン・ソヨン音楽監督が力を合わせた。1811年に起きた「洪景来(ホン・ギョンレ)の乱」を背景に平和を夢見た3人の友、洪景来、キム・ソクタル、チョ・ジンスの話を描いた。早くに前売りチケットを購入した30代以下の観客層の割合が全体の73%に達するほど若者世代の関心が熱い。
チャン監督は、「今回の作品では、特に国楽器と西洋楽器の比重が片方に偏らないきっ抗した音楽的バランスを維持しようとした。シーンによって、農楽の緩い四拍子リズム、ジャズ、行進曲などを交差させた」と話した。そして、「最近国楽を活用した先駆的な試みが多くなった。私たちの情緒を国楽を通じて解きほどくことに若者世代が次第に慣れ、興味を感じるようだ」と説明した。
キム・ギユン記者 pep@donga.com