「すみません、ここで終わります。今、タリバンの報道官から電話がかかってきました。スハイル・シャヒーン報道官、私の声が聞こえますか」
15日午後、生放送中にアフガニスタン出身の英BBCのキャスター、ヤルダ・ハキムさん(38)にタリバンの報道官から電話がかかってきて、即席のインタビューが行われた。タリバンが同日制圧したアフガンの状況と今後の展望について専門家に電話でインタビューしていたハキムさんは、少し驚いた表情で電話を切った。その後、携帯電話をマイクの近くに置いて、スピーカーホンを利用してタリバンの報道官とのインタビューを30分間行った。
ハキムさんが「あなたたちの計画は」と尋ねると、シャヒーン報道官は「タリバン指導部が軍隊をカブールの入口に待機させ、平和な政権移譲を待っている」と述べた。そして、「誰にも復讐はしない。私たちは国民とこの国の下僕」とし、「カブール市民の生命、財産、安全を保証する」と明らかにした。
ハキムさんは、タリバンの政権移譲後に懸念される女性人権問題をはじめ、一人一票の投票権の付与、平和な政権移譲の意味、公開処刑を実施するかどうかについて質問した。シャヒーン報道官は、「女性の権利、教育を保証する」としつつも、「私たちはイスラム政府になるのであり、(公開処刑などは)未来の政府が作った法律によって決定されるだろう」と明らかにした。
シャヒーン報道官は、暴力行為にかかわったタリバン戦士は裁判で処罰を受けるとし、「すべての大使館が業務を継続することを望む。外交官など誰にも危険はない。皆が過去にしていたとおりに継続しなければならない」と強調した。
インタビューで、タリバンに対する懸念を質問したハキムさんに、ソーシャルメディアや記者の間から激励が溢れた。ハキムさんはツイッターを通じて、「アフガン女性の教育の権利など現地の状況を伝えることができてうれしい」と投稿した。
ハキムさんはカブールで1983年に生まれた。ソ連・アフガン戦争の影響でハキムさんが生後6ヵ月の時に家族はパキスタンに移住し、3歳になった86年にオーストラリアに定着した。シドニーのマッコーリー大学でジャーナリズム学を専攻したハキムさんは、オーストラリアでテレビニュース記者として活動し、2013年にBBCに移ってワールドニュースなどで活躍した。
金潤鍾 zozo@donga.com