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世界的なMeToo運動、最前線に彼女たちがいた

世界的なMeToo運動、最前線に彼女たちがいた

Posted August. 21, 2021 08:21,   

Updated August. 21, 2021 08:21

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2017年10月、世界各地でMeToo運動の波が起こった。韓国も例外ではなかった。18年に現職女性検事が検察幹部の性的暴行を明らかにし、政界や文化界など各界で様々な人々が加害者であることが明るみになった。これは表に現れていなかった性的暴行問題を水面上に引き上げると共に、一人で苦しんできた被害者をおぞましい過去から救い出した。

この時流の始まりにはある記事があった。17年10月、米紙ニューヨーク・タイムズにハリウッドの大物のセクハラや性的搾取についての記事が掲載された。ワインスタイン・カンパニーの設立者で共同会長の有名映画プロデューサーだったハーベイ・ワインスタイン受刑者が約30年にわたって、女優や映画会社の職員などにセクハラをしたという内容だった。衝撃的なことが溢れる世の中で、なぜ唯一この事件が変化の震源になったのだろうか。確固たる圧倒的な証拠を提示した同紙の2人の記者、ジョディ・カンター、ミーガン・トゥーイーさんがいたからだ。そして『その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い』(原タイトル:SHE SAID)が書かれるまで、恐怖と戦って口を開いた被害者がいた。

17年5月、「話をしたい」というカンターさんの電子メールに女優のローズ・マッゴーワンさんは、「性差別問題でニューヨーク・タイムズは反省が必要だ」として断った。マッゴーワンさんが以前ある映画プロデューサーから性的暴行を受けたと主張したが、同紙がこれをニュース欄ではなく、スタイル欄で扱ったためだった。カンターさんの度重なる要請で実現した電話インタビューの内容は非常に具体的だった。これを皮切りに、記者らは女優たちに直接会って、3年以上、数百件のインタビューを行い、法的記録や電子メールなどを一つ一つ確認し、同書に盛り込んだ。

むろん、口を開かなかった女性たちもいた。しかし、明らかに変化はあった。エピローグには、被害者たちや取材過程で会った人々を19年に1ヵ所に招き、MeToo運動後の変化について話し合う様子を紹介している。この席には、約20年前にワインスタイン受刑者から性的暴行に遭いそうになった彼の秘書、ロウェナ・チューさんもいた。チューさんは記者と会ったが、沈黙を守り、この集まりの後、自身の話を同紙に伝えた。おぞましい話を打ち明けるには、どれほど長い歳月がかかろうが関係ないと、これ以上一人で苦しみの中で生きるなと語りかけているようだ。


キム・テオン記者 beborn@donga.com