アフガニスタンのイスラム主義勢力タリバンが首都カブールを制圧した15日、巨額の現金を持って海外に逃亡したアシュラフ・ガニー大統領(72)の実業家の弟ハシュマト・ガニー氏(61)がタリバン指導部と笑って握手する映像が21日、公開された。ハシュマト氏はソーシャルメディアでも連日タリバンを支持しており、ガニー兄弟に対する国民の怒りが高まっている。
タリバンは21日、ハシュマト氏がタリバン軍事組織トップのハリール・アル・ラフマン・ハッカーニ師を含むタリバン幹部らと一緒にいる映像を公開した。ハシュマト氏は、ハッカーニ師らと握手し、和気あいあいと記念撮影をした。あるタリバン幹部は、ハシュマト氏の額にキスし、銃を持つ別の幹部は激励するようにハシュマト氏の肩を叩いた。タリバン側は、「ハシュマト氏がハッカーニ師の前で忠誠を誓った」と明らかにした。
ハシュマト氏は、不動産、建設、運送業務などを担う民間企業ガニーグループの会長。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにも子会社がある。ドバイ付近のアブダビにいるガニー大統領は18日、「私がアフガンを離れなかったら、もっと大きな流血事態が発生しただろう」という詭弁を並べ立てた。ハシュマト氏も21日、アルジャジーラとのインタビューで、「カブールの新しい秩序を認めなければならない。兄が逃げなかったなら、状況はさらに悪くなっただろう」とガニー大統領の肩を持った。
ハシュマト氏は、21日に「タリバンは治安に責任を負う能力がある」、22日には「タリバンを受け入れなければならない」というツイートを投稿した。国民は、「ガニー家に呪いを」、「タリバンは彼らから処罰しなければならない」などの非難コメントで怒りを表わした。
李恩澤 nabi@donga.com