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宗教的極端主義

Posted September. 07, 2021 08:46,   

Updated September. 07, 2021 08:46

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「ハサンは、アラムート周辺地域を占領するためにあらゆる力を動員した。布教宣伝で占領し、言葉が通用しない地域は、殺戮、麻酔、略奪、戦争で占領した」

ハサン・サッバーフ(生年不詳~1124)は、イスラム史上、最も神秘的で残酷な分派だった暗殺教団の創設者だ。暗殺教団は、イスラム教で少数派だったシーア派の中でも強硬派のイスマーイール派から派生した。彼らは反対派に対する暗殺とテロを行った。代表的な暗殺手法は、ターゲットとなる人物に接近し、隣人、腹心、召使いなど忠実な人物になりすまし、命令が下されればためらうことなく決行するというものだった。長い時間共に生活してみると、親しみが生まれ殺害を迷ったり考えが変わることもあるが、暗殺教団にそれはなかった。

この恐ろしく、変わることのない信念が、暗殺教団を一層恐怖の存在にした。この信念が信じられなかった人々は、ハサンが神秘な手法や幻覚を使って若者を洗脳したと考えた。

 

彼らが「イスラム国」(IS)とアルカイダの元祖かもしれない。こう問う人もいる。なぜイスラム教徒はこのように意固地で、信念による暴力を続けるのか。イスラム教徒のためというよりも、そのような性向と文化が強い地域に伝播して、文化と宗教という2つの強力な性向が結合したのではないだろうか。

 

むろん、ここにはイスラムの伝統と律法が部族時代の伝統を保存しているという事情もある。全盛期のイスラム文明は、知的で合理的で高度な都市文化を成し遂げたが、その周辺には数千年間変わらない砂漠の部族、孤立した地域があった。ハサンの拠点のアラムートは、カスピ海南端の険しいエルブルズ山脈にある。ここから東に1千キロ行けばアフガニスタンだ。

閉鎖的な文化と被害意識によって、自身の問題を世の中のせいにし、新しい潮流を悪と見なし、その悪を取り除けば安楽な暮らしに復帰できると信じるようになる。いかなる宗教であれ極端主義はある。問題の本質は宗教ではなく閉鎖性だ。