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柳賢振が「スライダー的なカッター」で13勝目、あと2勝で自己最多更新

柳賢振が「スライダー的なカッター」で13勝目、あと2勝で自己最多更新

Posted September. 08, 2021 08:08,   

Updated September. 08, 2021 08:08

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米国では野球を「インチのゲーム(a game of inches)」という。1インチ(2.54センチ)の差でアウトとセーフ、フェアとファウル、三振と四球が分かれることが一度や二度ではないからだ。3インチ(7.62センチ)差なら言うまでもない。

トロント・ブルージェイズの柳賢振(リュ・ヒョンジン=34)が7日、ヤンキースタジアムのマウンドに立ち、ニューヨーク・ヤンキースを相手に投げたカット・ファストボール(カッター)がそうだった。柳賢振は同日、シーズン平均よりカッターの横の動きが3インチ伸びた球種を投げた。右打ち打者から見れば、ボールが普段より遠くから始まって、自分の方に曲がってくる。

カッターがストレートとスライダーの中間の球種なら、柳賢振は同日、スライダーとカッターの中間の球種を投げたわけだ。柳賢振本人もこのボールを「スライダー的なカッター」と表現した。

変化の幅だけが大きくなったわけではない。MLBが運営するデーターサイト「ベースボール・サーバント」によると、この日、柳賢振が投げたカッターの平均球速は88.6マイル(約142.6キロ)で、シーズン平均より約2.5マイル(約4キロ)速かった。より速く、より強く曲がる「高速スライダー」を繰り出したのだ。柳賢振は、この球種を速球(30球)に次いで多く(22球)投げた。

効果も良かった。直近の2試合連続で白星がなかった柳賢振だが、ヤンキース打線を相手に6回まで80球を投げ、6奪三振、無四死球、3被安打、無失点に封じ込めて勝利投手になった。チームを8-0の大勝に導いた柳賢振のシーズン記録は13勝8敗、防御率3.77になった。

ゲリット・コール(ヤンキース=14勝)に続きア・リーグ単独2位の勝利数を挙げた柳賢振は「今日の試合を控えて(柳賢振を抜いてトロントの先発ローテ1番手になった)ロビー・レイ(30)の投球内容をたくさん勉強した」とし「レイは速球とスライダーだけで良い成績を出している。自分も(似たような)球種を投げられるので、その球種を投げれば良さそうな気がした」と語った。レイは同日までに11勝5敗、防御率2.60を記録している。

しかし、すべてが良かったわけではない。柳賢振は、「普段あまり投げなかった球種を投げたので体にタイトになる感じを受けた。無理したくなかったので(6回が終わった後)監督やコーチと話してマウンドを降りた」とし、「大きな問題ではなく、次の先発登板には問題ない。いつものように準備する」と話した。

柳賢振は、あと4回ほど先発登板が可能だ。このうち2勝さえ挙げればシーズン15勝となり、大リーグデビュー以来1シーズン勝利数が自己最多を更新することになる。今まではロサンゼルス・ドジャース時代に3回(2013、2014、2019年)記録した14勝が自己最多記録だ。


黃奎引 kini@donga.com