詩人の龍惠園(ヨン・ヘウォン)氏は、「一日中雨が降る日は、愛により渇きを感じる」と話した。フランスの画家ギュスターブ・カイユボットは、絵により渇望していたようだ。彼は雨の日の風景を好んで描いた。雨粒と川を愛し、船遊びを楽しんだ。「イエール、雨効果」には、彼が愛したすべてのものが含まれている。
パリで裕福な実業家の長男として生まれたカイユボットは、家の反対を押し切って画家になった。26歳の時、父親が亡くなった時に受けた莫大な遺産のおかげで、一生余裕のある生活をしながら絵を描くことができた。
27歳の時に描いたこの絵の背景は、イエール川のほとりだ。イエールはパリの外郭都市で、昔から貴族やブルジョア、芸術家の休養地として人気があった地域だった。カユボットが12歳の時、彼の父親はイエール川の岸に土地を買って邸宅を建てた。パリに住んでいた彼の家族は毎年、夏をここで過ごした。水遊びや船遊びをしながら。カイユボットはここで絵画80点あまりを完成させたが、この絵は彼が初めて試みた田舎の風景画だ。
カイユボットは印象派の主要メンバーだったが、生前は画家として認められなかった。親しい同僚たちからでさえ裕福なアマチュア画家だと思われていた。しかし、写実主義を基盤にした彼の印象主義の絵はいろいろな面で格別だった。絵の中には、雨のしずくが川に落ちる様子が生き生きと捉えられている。まるで画面の中でぽつりぽつりと落ちる雨の音が聞こえるようだ。遠くに見える渡し船1隻がロマンを増す。スナップ写真から切り取ったような果敢な対角線構図と人物を完全に取り除いた風景画は、彼にとって大きな挑戦だった。
カイユボットは、ノブレス・オブリージュを実践したコレクターでもあった。生涯独身でありながら印象派の画家を援助した。展示を開き、家賃を出し、絵を買い入れて生活苦を解決しようとした。46歳でこの世を去る時は、自分が収集した同僚画家の作品をすべて国に寄贈した。彼はのどの渇きを感じていた印象主義の画家たちにとって、旱天の慈雨のような存在だった。まるで彼の絵の中の雨粒のように。
美術評論家