バイデン米政権が、韓国系女性ルーシー・コ氏(韓国名コ・ヘラン・53)カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所判事を第9巡回区控訴裁判所(高等裁判所に相当)判事に指名した。上院の承認を通過すれば、初の韓国系女性の控訴裁判事が誕生する。韓国系米国人の控訴裁判事は、ニクソン政権で米初のアジア系控訴裁判事に起用されたハーバート・チェ氏(チェ・ヨンジョ、1916~2014)に続き2人目。
ホワイトハウスは8日(現地時間)、報道資料で、コ氏を第9巡回区控訴裁判所の判事に指名すると明らかにした。特に、控訴裁判事となる初の韓国系女性と強調し、「米国の多様性を裁判に反映させるというバイデン大統領の約束を履行した」と強調した。
1968年、首都ワシントンで韓国系2世として生まれたコ氏は、ハーバード大学で社会学を専攻し、同大学のロースクールを卒業した。上院法司委員会で女性法・公共政策委員として働き、カリフォルニア州検事補も務めた。民間に席を移し、シリコンバレーの有名ローファームで弁護士としても活動した。コ氏は08年、アーノルド・シュワルツェネッガー・カリフォルニア州知事(当時)によってサンタクララ郡高等裁判所判事に起用された。2010年にはオバマ大統領(当時)がコ氏を連邦地裁判事に任命し、初の韓国系連邦地裁判事となった。夫でカリフォルニ
ア州最高裁判事のマリアーノ・フロレンティーノ・クエリャル氏(49)との間に2人の子どもがいる。
コ氏は、ローファーム弁護士時代、シリコンバレーの大手情報技術(IT)企業を相手に特許や商法分野の専門性を積んだ。これをもとに、判事の時もサムスンとアップルが争った特許訴訟を担い、関心を集めた。コ氏は2014年、サムスンのアップル特許3件の侵害、アップルのサムスンの特許1件の侵害という陪審員団の評決を受け入れた。
コ氏は2016年2月にも、オバマ政権で第9巡回区控訴裁判所判事に指名された。当時、野党共和党が掌握した上院で承認を得られず、翌年3月に上院の任期が終わり、指名も自然消滅した。今回の指名は2度目となる。米控訴裁判所は13あり、第9巡回区控訴裁判所は、カリフォルニア、アリゾナ、オレゴン、ワシントン、アラスカ、ハワイなど西部を管轄する。
ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com