風力発電への依存度が高い英国、風が止まると電気料金が７倍増

電力生産の２５％を風力発電に依存している英国で、最近風が吹かないために発電量が減り、電気料金が１年で７倍に急騰した。英国の風力発電所の稼動中断の影響は、英国と電力網が連結する欧州各国に広まり、ドイツなどでも電気料金が上昇した。

１３日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、８日、英国の卸電力市場価格は１メガワット時当たり３３１.６６ユーロ（約４５万９千ウォン）だった。１ヵ月前の先月９日には１３２.２０ユーロ（約１８万３千ウォン）、１年前の昨年９月８日には４６.９７ユーロ（約６万５千ウォン）だった。同紙は、英国と電力網が連結するフランス、オランダ、ドイツでも電気料金が急上昇したと伝えた。

英紙タイムズは１１日、「風が止まるとエネルギー嵐が吹く」と伝えた。最近、英全域は暑くて風が吹かない真夏のような天候が続いている。大気の流れが停滞したため、海岸に設置した風力発電機のタービンが止まり、このため電力供給に支障が生じたのだ。昨年基準で英国は全発電量の４２％を風力、太陽熱など再生可能エネルギーに依存している。天然ガスは３４％、原子力は１７％、残りは石炭などだ。

専門家たちは、再生可能エネルギーに過度に依存すれば、エネルギー需給に深刻な問題が生じると指摘した。エネルギー産業向けの情報プロバイダーであるＩＣＩＳのエコノミスト、ステファン・コンスタンティノフ氏は、「電力需要が最高潮に達する冬にこのようなことが起こったなら、問題が大きかっただろう」と話した。同紙は、「不足した電力量を埋めるために、ガス、石炭発電所が再稼働した」とし、「炭素排出規制のため忌避された石炭発電も再び注目されている」と伝えた。

昨年、ジョンソン英首相は、２０３０年までに風力発電の容量を今の４倍に増やすと発表した。現在、英国は１０ギガワット規模の電気を生産できる海上風力発電施設を運営している。同紙は、「国民は、今年の冬、衝撃的な電気料金の請求書を手にするだろう」とし、「エネルギー部門全般への懸念が大きくなっている」と報じた。


李恩澤 nabi@donga.com