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敵は予想より強い

Posted September. 28, 2021 08:23,   

Updated September. 28, 2021 08:23

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ローマがイタリア半島の統一を追求した時代、国内戦争だった都市征服戦が国際戦に発展した。カルタゴ、ギリシャ-マケドニア勢力が、イタリアの都市と地中海で衝突する。ローマが特に何か誤ったわけではない。世の中は自分の思ったとおりに動かない。自分が水を飲むために泉に到達した時、他の人は農業用水を調達しようと泉を探しているかもしれない。

当時、浮上した激戦地が、ギリシャの移民者と原住民、カルタゴの植民支配で分離したシチリアだった。ローマも当然介入した。地上戦でローマ軍は、カルタゴの歩兵を撃破する。しかし、カルタゴの主力は海軍だった。著名な歴史家テオドール・モムゼンはこう言った。「カルタゴ軍を戦場で敗退させることは容易だが、最終的に勝利を収めることは難しい」

実際、ローマ軍は地上戦で勝利したが、海が封鎖されるや危機に直面した。国の運命の岐路で、ローマは信じられないことをする。向こう見ずにも大規模な艦隊を建造したのだ。辛うじて船は作ったが、海戦の勝利を左右する航行能力と熟練度は大きく及ばなかった。ローマは、ここで得意な白兵戦を行うという発想の転換を図る。海で肉薄戦を行うというのはとんでもない話だ。当時、ローマは「カラス」という新兵器を考案した。船首に固定された一種の桟橋だ。先がくちばしのようなのでカラスと呼ばれた。敵艦に遭遇すれば、カラスを敵船の甲板に落下させて鉤をつきさし、桟橋を通ってローマの自慢の重装歩兵隊が敵船になだれ込み、白兵戦で制圧する。

カラスで収めた偉大な勝利がミレー沖の海戦だ。ローマの創意性と挑戦精神の勝利だ。実はカラスは船の操作性を悪くする致命的な弱点があった。しかし、カルタゴは敵を軽く見て、何の偵察も探索もなく、やみくもに突進して敗北した。昨日強かったとしても今日も強いという保証はない。武器、財政、数値化された戦力が強ければ勝利するというものではない。戦争史では勇気と献身、犠牲を知る民族だけが生き残る。