「コリア・ホーキーポーキー、ハニーコム・トフィー(honeycomb toffee)」
海外のネットユーザーは懐かしいおやつ「タルゴナ」をこう呼ぶ。ネットフリックスのドラマ「イカゲーム」が世界的な人気を呼び、国内だけでなく海外でもタルゴナが新しい遊び文化に浮上している。
4日、Gマーケットによると、イカゲームが公開された先月17日から約2週間、タルゴナの販売量は前月同期より約270%増加した。アマゾンやeBayなど海外のeコマースでは、商品説明でイカゲームのシーンを付けた「タルゴナ作りセット」が販売されている。価格は2万~4万ウォン台(22~36ドル)で、5千ウォンから1万ウォンの韓国国内価格の最大8倍だ。海外の消費者にタルゴナは「異色の韓国菓子」なのだ。
海外では、タルゴナ作りが「ヒップな」遊び文化として脚光を浴びている。インスタグラム内の「タルゴナ」掲示物は約28万個にのぼる。海外ファンは、SNSにタルゴナ作りの映像を投稿し、後記を共有している。2日にフランス・パリで2日間開かれたイカゲーム体験館は、タルゴナ作り、めんこなどを体験しに来た人々で大変な混雑となった。
韓国国内でもイカゲームの効果は明確にあらわれた。コンビニCUによると、先月17~30日、タルゴナの主材料の砂糖の売り上げは2週間前より45%増えた。ソウル各地のタルゴナ露店も「タルゴナ特需」を享受した。地下鉄4号線の恵化(ヘファ)駅付近のタルゴナ店には、タルゴナを買いに来た30人ほどの人が長く列を作った。あるネットユーザーはSNSで、「(明洞で)タルゴナを売る人々が競争的に営業するのは初めて見る」とし、「露店のタルゴナが品切れになったのも初めて」と伝えた。
タルゴナブームは、Kコンテンツの人気がKフードに対する好奇心につながったことによるとみられる。映画「パラサイト」に登場した「チャパグリ」(インスタントラーメン「チャパゲティ」と「ノグリ」を掛け合わせた料理)、ドラマ「星から来たあなた」に出てきた「チメク(フライドチキンとビール)」が代表的だ。
このように映画やドラマの中の食べ物が人気を呼ぶのは、食べ物が共感覚を刺激するためと分析される。ソウル大学農経済社会学部の文正薫(ムン・ジョンフン)教授は、「視聴者は好きなコンテンツの中の人物のようになりたいという欲望を満たそうと主人公の経験をまねる傾向がある」とし、「その中で食べ物は、自動車やファッションなどと違って人間の五感をすべて使うので、経験を最大化するのに最適だ」と説明した。
食べ物は、高価ではなく容易に接することができるのでSNSに「認証ショット」を投稿しやすいことから、流行を先導する面もある。仁荷(インハ)大学消費者学科の李銀姫(イ・ウンヒ)教授は、「食べ物はファッションとは違って1日に何度も消費するだけでなく、値段も相対的に安く、大衆のアクセシビリティが高い」とし、「MZ世代の消費者にとって食べ物は写真を撮ってSNSに投稿するのも容易で、トレンドがはやく広まるのが特徴だ」と指摘した。
イ・ジユン記者 キム・ハギョン記者 leemail@donga.com · whatsup@donga.com