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次期政府に借金だけを押しつけた文大統領の最後の施政演説

次期政府に借金だけを押しつけた文大統領の最後の施政演説

Posted October. 26, 2021 08:57,   

Updated October. 26, 2021 08:57

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領が昨日、任期最後に予算案の施政演説を行った。604兆ウォン規模に拡張編成した来年度予算案を説明し、国政全般の感想を明らかにする席だった。現政府の5年間で政府支出が50%増え、国家負債は史上初めて1000兆ウォンを超えることになった。政府は任期中、借金でばら撒き福祉・雇用予算を増加させてきた。最後の施政演説も、「金を使うべき理由」だけが沢山盛り込まれているという批判が出ている。「財政ポピュリズム」による負担は、次期政権と国民の負担として残ることになった。

文大統領は、「来年の予算は、コロナ危機から日常と民生を完全に回復するための予算」と明らかにした。コロナの状況を考慮しても、現政権の財政運用は落第点に近い。200兆ウォンを突破した福祉・雇用予算は単一性の現金支援に集中している。4年間、約100兆ウォンを雇用予算として使っても、求職放棄者が史上最多であるのが現状だ。コロナ対応など資金が必要になるたびに、「財政はしっかりしている」と予算を増やす方式で対応してきた。不要不急の支出を減らす努力は皆無だった。

無駄遣いは、国民の負担になっている。雇用保険料は2019年に続き、来年また引き上げられる。短期雇用事業に雇用基金を使い、赤字が累積したためだ。「文在寅ケア」で無理に健康保険の適用対象を増やし、保険料率は5年連続上昇した。さらに健保財政は次の政府で底をつく危機に陥っている。それにもかかわらず、文大統領は「国民の医療費負担をかなり下げた」と述べた。だから自画自賛という話が出るのだ。政府の財政で最も減らしにくいのが、公務員の人件費と年金だ。現政府では、公務員が約12万人増えた。前の2つの政府で増えた公務員の2倍を超える。高コスト構造は日増しに固まっているのに、年金改革にはそっぽを向いている。ばら撒きは現政権がやっておいて、宿題は次期政権に押しつけたことになる。

文大統領は、「税収規模は、予算案を国会に提出する時よりさらに拡大するものとみられる」と述べた。しかし、税収を楽観視するには経済環境が尋常ではない。供給網の危機や物価上昇、米国の緊縮などは、国内景気を揺るがしかねない。税収を保守的に見て、支出を管理するのが当然だ。しかし、国家債務を管理するように定めた財政準則まで、国会の敷居をまたぐことができずにいる。

政府は後になって、「国の財政が底をつく」としながらも予算拡大を止めなかった。文大統領は、「財政健全性と調和を成すために苦心した」と言うが、国民が納得するのは難しい。次期政権は借金を膨大に抱えて、使い所が溢れる状況に直面することになった。この全ての負担は結局、企業や国民に回ってくるしかない。