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紅葉、風変わりな春の花

Posted October. 29, 2021 08:52,   

Updated October. 29, 2021 08:52

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寒々とした寒風が落ち葉でも撒けば、いたずらに不気味で物騒になるのが人の心。しかし、春風の洗礼の中に花が咲き乱れるように、秋風もまた、紅葉を濃く染める魔力の手を持っているだけに、それこそ自然は人間に季節ごとに一つずつ、風変わりな贈り物を与えてくれる。それで詩人は、秋の山はただ人を荒涼とするだろうと予断してはならないと慰める。万物の変化を自然の調和の摂理として受け入れるこの程度の余裕なら、紅葉の森で春の花の美しさを見つけるのも難しくないだろう。世の中のことが一層甘く暖かく感じられるようだ。実際、春風と秋霜はそれぞれ穏やかさと冷静さという相反するイメージで刻印されるが、「四季がそれぞれ新しさを持った」という詩人の目から見ると、春風と秋霜にも互いに意気投合する共通点がある。誰が何と言っても、紅葉は秋風と霜が公募して育てた「風変わりな春」だろう。

楊萬里は、4200余首の詩を残した南宋の代表的多作詩人で、特に山水詩に長けていた。「門を閉めて詩句を探すのは詩作とは言えず、世の中を歩き回ってこそ自然に詩が生まれる」という持論を堅持した結果だった。後輩詩人の姜夔が、「毎年花と月は暇な日なく、あちこちの山と水はあなたに見つかるか心配だ」と言ったのは、自然の景物を疎かにせずに詩に盛り込んだ先輩への褒め称えだろう。