「国民の党」大統領選公認候補に尹錫悦氏選出、「反文在寅」の先鋒に

尹錫悦（ユン・ソクヨル）前検事総長が５日、保守系最大野党「国民の力」の大統領選候補に確定し、文在寅（ムン・ジェイン）大統領との「縁」に関心が集まっている。文政府発足と同時にソウル中央地検長に起用され、文大統領が「私たちの尹総長」と言って検事総長任命状を渡した尹氏が、今や政権交代の先鋒に立ったためだ。文大統領と尹氏の会合が実現する場合、２人は２年４ヵ月ぶりに会うことになる。

文大統領は２０１７年５月、大田（テジョン）高等検察庁の検事だった尹氏をソウル中央地検長に抜擢した。尹氏は拘束状態だった朴槿恵（パク・クンへ）前大統領関連の捜査をはじめ、李明博（イ・ミョンバク）元大統領と梁承泰（ヤン・スンテ）元大法院長の拘束を陣頭指揮し、いわゆる「積弊清算」の先鋒に立った。１９年６月、文大統領は尹氏を検察トップに指名した。　

　

しかし、尹氏が曺国（チョ・グク）元法務部長官の捜査に着手し、政府与党との関係にも亀裂が生じはじめた。その後、秋美愛（チュ・ミエ）前法務部長官が就任し、尹氏に対して捜査指揮権を発動して懲戒委員会に付託するなどして対立した。文大統領は、「秋・尹対立」の中、野党の大統領選候補に名前が挙がった尹氏に対して、今年のはじめまで「文政府の検事総長だ」と線を引いたが、１０か月後、尹氏の選出が現実のものとなった。

　

大統領府は先月２６日、与党「共に民主党」の李在明（イ・ジェミョン）大統領選候補との会合後、「（野党）候補が要請すれば検討する考え」を明らかにした。与党関係者は「会合が実現しても、深い話は交わされないだろう」と話した。


崔惠? herstory@donga.com