紀元前390年、ローマはガリア(フランス)の北部地域を支配していたセノネス族から攻撃を受ける。セノネス族に相次いで敗れたローマ人は、ローマのカピトリヌスの丘に閉じ込められる。ある夜、セノネス族はカピトリヌスの丘に忍び込んでローマ人たちを攻撃しようとするが…。急に、「きゃきゃ」という音が静かな夜の空気を引き裂いた。騒がしい音に驚いて目を覚ましたローマ人たちは、侵入に気づいて辛うじて敵を退ける。
ローマの功臣はガチョウだった。ヘラの神殿で飼っていたガチョウが、侵入者に気づいて泣き始めたのだ。縄張り動物のガチョウは、自分の縄張りに危険なことがあると声を出す。聴覚と視覚が発達したガチョウがローマを救ったことになる。
紀元前525年、ペルシアはエジプトに侵攻する際、軍人の盾に猫を描いた。猫を神のように崇拝していたエジプト人の弱点を攻略したのだ。結局、エジプトは戦争に敗れて、ペルシアの属国になった。1959年、政治家フィデル・カストロ(1926~2016)はキューバで演説をした。彼は演説の途中、白い鳩を空に飛ばしたが、鳩は戻ってきてカストロの肩に座った。平和を象徴する鳩がカストロのそばに留まるシーンに感動したキューバ人は、カストロを支持し始めた。
このようにこの本は、世界史に多大な影響を及ぼした動物を紹介する。動物ごとに5ページ前後に短いエピソードを盛り込んでおり、可読性が高いのが強みだ。歴史と動物に関心のある人々が読めば、ささいではあるが面白い知識が増えるだろう。
イ・ホジェ記者 hoho@donga.com