フランスが2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにし安定してエネルギーを供給するために、原子炉建設を再開することを決めた。仏紙ル・モンドなど現地メディアは、「数十年ぶりに出たフランスの新しい原発建設計画であり、来年4月の大統領選の主要争点になるだろう」と報じた。
フランスのマクロン大統領(写真)は9日、テレビでの国民への談話を通じて原子炉建設の再開を伝え、「外国に依存しないエネルギー独立を実現し、気候変動の原因である炭素の発生を減らすための投資」と明らかにした。フランスは早ければ来週にも6基の第3世代欧州加圧水型炉(EPR)の建設に関する詳細を発表すると、ロイター通信が伝えた。
フランスは全電力の7割以上を原発で生産する欧州連合(EU)内1位の原発国。しかし、安全性の問題などが議論され、先のオランド政権で本格的な脱原発政策を展開してきた。マクロン氏も2017年就任当初、2035年までに原発の割合を5割に下げると宣言した。
しかし、最近天然ガスの価格が暴騰してエネルギー問題が発生すると、再生エネルギーへの転換の速度を遅らせる必要があるという主張が提起された。仏紙フィガロは、「エネルギー供給危機を体験したマクロン氏が、大統領選を控えてエネルギー戦略を修正した」と伝えた。マクロン氏は先月、放射能漏れの危険を減らした小型モジュール型原子炉(SMR)の開発と水素発電の拡大に300億ユーロ(約41兆ウォン)を投資する「フランス2030」計画を発表した。
国際環境団体グリーンピースは同日、声明を出し、「再選を狙うマクロン氏が約束を破って非現実的なエネルギー政策を発表した」とし、「放射能漏れで中国広東省の台山原発の原子炉が7月に閉鎖されるなど原子炉は依然として危険だ」と批判した。
金潤鍾 zozo@donga.com · 金民 kimmin@donga.com