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李在明氏の「選挙用」災害支援金に振り回された20日間

李在明氏の「選挙用」災害支援金に振り回された20日間

Posted November. 20, 2021 08:18,   

Updated November. 20, 2021 08:18

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与党「共に民主党」の大統領選候補、李在明(イ・ジェミョン)氏が18日、全国民災害支援金追加給付を撤回した。先月末「1人当たり30万~50万ウォンの追加給付」を提案し、20日後に尻尾を巻いたのだ。「事、必ず正しきに帰す」。李氏は「野党が反対し、政府も難色を示している」とし、「固執しない」と話した。まるで野党と政府の壁にぶつかって現実路線を選んだように話しているが、責任を免れようとする詭弁だ。

李氏の主張は大統領選を控えた来年1月の給付を目指したという点で、当初から「選挙用」という狙いが多分にあった。与党や政府との事前協議なく出てきたばらまき公約だった。財政当局が難色を示したにもかかわらず、「超過税収が40兆ウォンで国家の蔵は満たされている」、「金持ちの国に貧しい国民は穏当なことなのか」と言って現実をごまかした。「超過」税収という用語自体が錯視だ。残っていてむやみに使ってもかまわない金ではない。経済がうまく回っておまけで得られたのではなく、住宅価格の急騰にともなう不動産関連の税金が相当部分占める。今年も財政赤字が90兆ウォンにのぼる。国家財政法上、超過税収は地方交付税、地方教育財政負担金、国債償還などにまず使わなければならない。このような事情を知らずに押し切ろうとしたなら、国家経営能力の限界を露呈したと言わざるを得ない。

政権与党の態度も見苦しい。給付名目を「日常回復防疫支援金」に変え、給付規模を1人当たり25万ウォン、20万ウォンに下げるなど、あらゆる手を使って知恵を絞った。年末に入ってくる一部税金の徴収を来年に先送りして財源を調達すれば、大統領選前に金をばらまくことができるという驚くべき「納税猶予」まで登場した。このような中、企画財政部(企財部)は今年残った追加税収が19兆ウォン規模なのに「10兆ウォンを少し超える」と誤って報告したため、論議を自ら招いた。これに対し、与党は国政調査云々して迫り、李氏は企財部の予算機能を引き離すと脅したが、大統領府は「党と政府が処理せよ」と沈黙を守った。

与党の大統領選候補であっても、法に反して国家予算を小遣いのように使うことはできない。にもかかわらず、大統領選候補の一言で、党・政府・大統領府がこのように乱脈ぶりを見せた前例があっただろうか。李氏の撤回の知らせに大統領府は「歓迎する」と述べた。20日間、国をかき回しておきながら、「李氏が柔軟性を見せた」という党内の評価が出された。国民を馬鹿にしなければ出てくることのない反応だ。