4年間の息切れするような登頂だった。勾配は急だったが、ついに頂上に達した。
BTSの今年のアメリカンミュージックアワードでの「今年のアーティスト」の受賞は、米国への本格進出からわずか4年で成し遂げた快挙だ。彼らのポップ本土上陸は、2017年に始まった。アメリカンミュージックアワードにアジア歌手として初めて出演し、「DNA」で祝賀舞台を飾り、米国のお茶の間の視聴者へ印象を与えた。
ファンダムであるアーミーを基盤に成長してきたアジア歌手のBTSの立場から、当時としては米国の主流ポップ界に果たしてどこまで浸透するか未知数だった。当時BTSの現地マネジメントを総括していたインタートワイン・ミュージックのイーシャイ・ガジット代表取締役は9月、東亜(トンア)日報とのインタビューで、「業界関係者にBTSのソーシャル・シンドロームを一目で目撃できるようにするため、招待できるすべての記者と関係者を(2017年のアメリカンミュージックアワーズに)招待した」と振り返った。
BTSはその日以後、米国主要授賞式とチャートに安着した。同じ授賞式で、翌年から「フェイバリット・ソーシャル・アーティスト」を3連覇した。2019年は「今年のツアー」をはじめ3冠に、昨年は「フェイバリット・デュオ/グループ(ポップ/ロック部門)」の2冠に輝いた。存在感がほぼ同じビルボードミュージックアワードにも2017年に初登場し、4年連続で「トップソーシャルアーティスト」を受賞した。今年(5月)はトップデュオ/グループ、トップセリングソング(「Dynamite」)など4冠に輝いた。
今回のアメリカン・ミュージック・アワードの「今年のアーティスト」の受賞は、BTS旋風のもう一つの上向き変曲点とみられる。ビルボードシングルチャートで10週間トップを守り、今年最長期間1位につけた「Butter」の力が功を奏した。
さらにBTSは、今年の授賞式の事実上の主賓だった。行事の羅針盤はずっとBTSを指していた。2度の祝賀舞台と3度の受賞(フェイバリット・デュオ/グループ、フェイバリット・ポップソングを含む)がすべて電波に乗り、出演分量が進行者のラッパー、カーディ・Bに劣らぬほど多い。授賞式の前半、BTSは英国を代表するロックグループ、コールドプレイと共に出演して、コラボ曲「My Universe」を熱唱し、式場の雰囲気を予熱した。コールドプレイはこの曲で13年ぶりにビルボードシングルチャート1位になり、6年ぶりにこの授賞式に参加することになった。
フィナーレもBTSのものだった。カーディ・Bが、「この方たちはまた出てくるんですか。お金でも使ったんですか」と冗談を言うほど。カーディ・Bは結局、「Butter」と書かれた黄色いスクリーンを背景に最後の挨拶をし、授賞式全体の最後のシーンを飾った。
後半部に配置した男性アイドルグループの特別公演も意味深かった。ボストン出身の2グループ、ニューエディションとニューキッズオンザブロックが「ボストンの対決」というタイトルで長時間合同舞台を飾った。舞台を見ながら、客席で踊るBTSを、カメラが頻繁に映した。「Butter」のステージでは、「ニューキッズ・オン・ザ・ブロック」のメンバーたちが楽しんでいる姿も見せた。
米授賞式のレースで、BTSの前に残った高地は、もう世界ポップ市場のエベレストともいえるグラミー賞だけだ。米レコーディング芸術科学アカデミーは、来年のグラミーアワード(1月31日)の候補を23日(現地時間)に発表する。BTSは昨年、最優秀ポップデュオ/グループパフォーマンス部門にノミネートされたが、トロフィーはレディー・ガガとアリアナ・グランデ(「Rain on Me」)が手にした。今回は「Butter」の勢いで、本賞の「今年のレコード」や「今年の歌」部門の候補指名が有力な状況だ。
イム・ヒユン記者 imi@donga.com