岸田文雄首相が与党自民党の麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長ら党幹部との意思疎通を強化している。読売新聞は23日、首相官邸主導に進む「政高党低」から脱却し、政府と党が緊密に連携する「政高党高」を目指していると伝えた。
「政高党高」で「政」は政府、「党」は自民党を意味する。すなわち、政府と自民党が対等な立場で協力し、国政を運営するという意味だ。安倍晋三政権では官邸主導が進んだことで、党の声が政策に十分に反映されなかった。自民党の中堅議員が、「党は政府の下請け機関ではない」と不満を漏らしたこともある。岸田氏はこのような安倍式政治から脱却しようとしているのだ。
岸田氏は22日、麻生、茂木両氏と東京都内のホテルで会食し、政権運営などについて話し合った。松野博一官房長官も同席した。同紙は、「首相と官房長官という政府のツートップが党幹部との会食で席を並べることも珍しい」と伝えた。岸田氏は16、18日にも党本部に出向いて両氏と面会した。
岸田氏が就任後、政府と党の関係を「車の両輪」と表現し、「政高党高」を強調するのには、政権基盤を安定させる狙いもあるとみられる。麻生氏は党内第2派閥の麻生派(53人)を率い、茂木氏は第3派閥の竹下派(51人)の会長に近く就く予定だ。ここに岸田氏が率いる岸田派(42人)を合わせれば、3派の議員数は党内議員の約6割を占める。これら勢力が力を結集すれば、岸田政権の長期政権を作り出すこともできる。
東京=パク・ヒョンジュン特派員 lovesong@donga.com