ローマ帝国に最も大きな影響を及ぼしたカエサル、アウグストゥス、ディオクレティアヌス、コンスタンティヌスを暴いた。ソウル大学歴史教育科教授の著者は、4人の人物が危機に直面したローマを救い、大帝国の基礎をつくったと考えている。彼らを通じて、時代の転換をもたらしたリーダーシップについても論じる。
ローマは、イタリアの山奥で胎動した。その後、地中海を越えてアジアとアフリカまで拡張した大帝国を建設し、西洋文明の根幹を作った。ローマ帝国初期、欧州内で最も大きな勢力拡張を成し遂げたのはカエサルだ。エジプトを柱に東方世界まで勢力を伸ばしたカエサルは、次第に独裁者に変わり、後日ブルータスに暗殺される。
続いて登場したアウグストゥスは、カエサルが建設した帝国の枠組みを強固にした人物。元老院の地位を回復させた。ローマ市民がいつでも水を使用できるように彼が建設した水道橋は、今も欧州のあちこちに痕跡として残っている。帝国の全盛期であり平和期を意味する「パクス・ロマーナ」を開いた人物と評価されている。ディオクレティアヌスは50年間、18人の皇帝が統治した軍人皇帝時代の混乱を鎮めた人物だ。現在のクロアチア地域で解放奴隷の息子に生まれた彼は、身分を越えた統治術で権力の座に就いた。帝国を東西ローマに分け、副皇帝も置いた。その後、コンスタンティヌスはミラノ勅令を経て、キリスト教を公認した。宗教的対立を鎮め、324年にビザンティウム(現イスタンブール)を新しい首都に確定する。
1990年代を風靡した塩野七生の「ローマ人の物語」から多様な「ギリシア・ローマ神話」まで、異域万里の他地の私たちは、今も地道にローマを訪ねる。なぜだろうか、著者は「ローマは今日われわれが住む民主共和国の基礎を築き、ローマの国教だったキリスト教はわれわれ国民の23%が信じる宗教だ。私的・公的領域で、われわれの中に深く根ざしたローマ史を通じて、われわれは新しい時代に必要な答えを求めるからだ」と述べた。さらに「帝国の成功を称賛一辺倒と見るかどうかは、省察が必要だ」と付け加えた。
キム・ギユン記者 pep@donga.com