「(北朝鮮の非核化の約束がない)一方的な終戦宣言は、インド太平洋地域の安全保障に破滅的な結果を招くだろう」
韓国系米国人のヨン・キム(キム・ヨンオク=59・写真)共和党議員は14日、東亜(トンア)日報とのインタビューで、韓国政府が推進している終戦宣言と関連して、「域内の重要な安全保障目標を達成する米国の能力に対して深刻な障害になる」との考えを示した。また、「(一方的な終戦宣言は)韓米同盟の戦争抑止力を弱め、数千万人にのぼる米国・韓国・日本の人々の暮らしを危険に陥れるだろう」と述べた。
キム氏ら共和党所属の連邦下院議員35人は7日(現地時間)、一方的な終戦宣言に反対する共同書簡をサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)らに送り、話題になった。終戦宣言に反対するために米議員の多くが集団行動に出たのは初めて。キム氏は共同書簡の作成を主導した。キム氏は昨年、米大統領選と共に実施された連邦下院議員選挙(カリフォルニア第39区)で当選した。キム氏は書簡を送った背景について、「私たちの選挙区だけでなく全米の韓国系社会、議員同僚からこれまで深刻な懸念が寄せられ、行動に出た」と明らかにした。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、終戦宣言は法的効力のない政治的宣言なので、北朝鮮の非核化約束の有無とは別に対話を引き出す誘引策として推進しようという立場だ。キム氏は異なる考えを示し、「終戦宣言が政治的宣言だとしても、北朝鮮と中国には在韓米軍の撤収、韓米合同軍事演習の永久中止を要求する大義名分を提供するだろう」とし、「韓国に駐留する国連軍司令部の地位にも影響を及ぼすだろう」と指摘した。また、「私たちが望む北朝鮮ではなく、私たちが向き合っている北朝鮮を相手にしなければならない」とし、「敵対行為の終息宣言は、北朝鮮が先に核兵器を除去し、制裁の順守や人権改善などにおいて検証可能な進展を見せた後に対話で解決していくもの」と述べた。
韓米が調整している終戦宣言の文言がほぼ完成段階に入ったとされる中、キム氏は「議会や地域社会と協議なく(終戦宣言の)議論が進められる状況を議会では非常に懸念している」と明らかにした。そして、ホワイトハウスに送った共同書簡に対する返事はまだ受け取っていないと話した。
申晋宇 niceshin@donga.com