冬の代表的なおやつであるたい焼きを、買って食べるのが難しくなった。小豆、小麦粉価格の上昇で、たい焼きの屋台が急激に消えたためだ。たい焼きを売る「たい焼き場所」を知らせるアプリケーションまで登場するほど、たい焼きを探す人が増えている中、特に人気を集めているたい焼きのおいしい店もある。
ソウル鍾路区(チョンノグ)広蔵(クァンジャン)市場内の「チョンガク(独身男性)たい焼き」は、厳しい寒さの中でも大勢の客で賑わう。白い湯気が漏れる枠の蓋を開けると、列をなして横になっているたい焼きが姿を現した。ここは「たい焼きの聖地」と呼ばれている。週末には1時間以上待たなければ、味わうことができない。
ここで売っているたい焼きは、小豆とクルミ、シュークリーム、さつまいも、ピザの4つの味。1人当たり最大4個まで買うことができる。小豆とクルミは1000ウォン、ピザは2000ウォンなどたい焼きにしてはやや高いが、人気を集めているのは材料を差別化したためだ。ピザたい焼きには牛肉、トマト、自然チーズなど17種類の材料が入る。生地には牛乳を混ぜ、香ばしさを加えた。店を経営するパク・ギナムさん(53)は、「すべての材料を自分で作り、最上級食材だけを使っている。具も最大限に詰め込んでいる」と話した。
たい焼きをもっと頻繁に食べたくて、最初からたい焼きカフェをオープンした人もいる。たい焼きの屋台をそのまま通り過ぎたことがないというユン・ダヒョンさん(28)は、今年9月、ソウル西大門区梨花(ソデムング・イファ)女子大学前のカフェ「ホウメリカーノ」をオープンした。カフェには、黒いタイ型が取付られた機械と小麦粉の生地が入った洋銀ポットが置かれている。屋台をそのまま移したもの。小豆(800ウォン)など5種類の味のたい焼きを作る。カフェに座ってコーヒーを飲みながら、屋台のたい焼きを食べるというユニークな経験ができる。ユンさんは、「屋台のたい焼き型とやかんは、屋台のたい焼き特有のパリッとした食感はもちろん、感性まで具現化するための戦略だ」と話した。
高級デザートに変身したたい焼きもある。全羅北道全州市(チョンラブクド・チョンジュシ)の韓屋村の「パリクロワッサンたい焼き」のたい焼きは、4個で1万3000ウォン。パイ生地で作ったクロワッサンに小豆、アップルマンゴー、ブルーベリーなど8種類の具を入れて焼く。表面にサトウキビをつけて甘さを加えた。たい焼きを作る人は、パティシェの資格を持っている店主チェ・ダヘさん(28、女)だ。チェさんは「役所や保育園などで、イベント用のおやつとして注文が多い」と話した。
孫孝珠 hjson@donga.com