米陸軍が今月初め、韓米国防研究機関と共同開発している「自律トンネル探査(ATE)ロボット」を仮想敵国の地下坑道の捜索・偵察に投じるテストを実施したことが確認された。仮想敵国がどこかは言及されなかったが、核・生物化学兵器や指揮施設を地下坑道に隠した北朝鮮を想定したのではないかという観測が流れている。
米陸軍は29日、ミズーリ州の訓練場で今月2日(現地時間)に探知センサーを装着した自律トンネル探査ロボットを地下坑道に投じるテストを実施したことを明らかにした。また、米戦闘員が無限軌道または4足歩行の自律走行ロボットを先頭に地下坑道に進入し、内部を捜索・偵察する写真も公開された。
これらのロボットは、坑道内部の3D地図を作成し、障害物を避けて動き、核・生物化学作用剤の探知センサーで大量破壊兵器の存在を把握し、リアルタイムで報告すると、米陸軍は説明した。米陸軍は、このロボットシステムが米国防総省の国防脅威削減局(DTRA)と韓国の国防科学研究所(ADD)が2019年から共同開発していると伝えた。
米陸軍関係者は、「敵は兵力や兵器装備の保護および移動のためにトンネルや地下施設をよく使用する」とし、「このような戦場の環境に投入される味方を保護し、戦術的利点を提供するうえで、自律走行ロボットシステムが貢献するだろう」と話した。また、「今後自律トンネル探査ロボットシステムが戦闘員に代わって洞窟や都市の地下施設などで探索任務を完璧に遂行することが最終目標」とも述べた。
軍内外では、韓米軍当局が有事の際、北朝鮮全域の地下坑道に隠された核・生物化学兵器の保存所および指揮部の施設などを除去するための自律走行ロボットを戦力化する手続きと分析する。在韓米軍は、2017年から米本土や韓国で北朝鮮軍の地下坑道を占領する訓練を定期的に実施している。軍消息筋は、「休戦ライン近くなど北朝鮮各地に建設された地下坑道の捜索・偵察に対して自律走行ロボットのような先端装備の活用が増えるだろう」と話した。
尹相虎 ysh1005@donga.com