「あなたはアベンジャーズの新しいリーダーですか?」
ハリウッド映画「アベンジャーズ」シリーズでスパイダーマンはアイアンマンが世を去った後、こうした質問攻めに苦しめられる。スケルトン代表も「アイアンマン」ユン・ソンビン(28=江原道庁)以降に備えなければならない時期を迎えているのかもしれない。それならスパイダーマンに最も近い選手はチョン・スンギ(23=カトリック関東大、写真)だと言える。
チョン・スンギは昨年12月31日(現地時間)、ラトビア・シグルダで開かれた2021-2022国際ボブスレースケルトン連盟(IBSF)ワールドカップ(W杯)第6戦で、2回合計1分41秒73で銅メダルを獲得した。2019-2020シーズンにW杯舞台にデビューしたチョン・スンギがフォーディアム(表彰台)に立ったのは初めて。その前までは今季第2戦で4位になったのが個人通算最高成績だった。
スケルトンとボブスレーを合わせて韓国ソリ代表チームで今季に初めてIBSFワールドカップメダルを獲得したチョン・スンギは「新年を迎えて良いニュースを伝えられるようになって嬉しい、22北京冬季五輪でも良い成績が出せるよう最善を尽くす」と覚悟を述べた。
IBSFはスイスのサンモリッツで行われるW杯第8戦まで進めた後、シーズンランキングによって北京五輪出場権を配分する計画だ。現在、韓国選手の中ではチョン・スンギが10位(ランキングポイント848点)で13位のユン・ソンビン(692点)より順位が高い。
チョン・スンギもユン・ソンビンのようにスタートに強みのある選手だ。今シーズン、計11回のレースのうち6回(54.5%)でスタート1位の記録を残した。ユン・ソンビンのようにレース経験をもっと積めば、いくらでも世界最高水準に上がる潜在力を備えると評価されている。
イ・セジュンSBS解説委員は、「ユン・ソンビンが天才型なら、チョン・ソンギはチョ・インホ(ソリ代表チーム)総監督とシステムが育てたタイプに近い」とし、「一歩ずつ段階を踏みながら上がってきたので簡単に崩れるタイプではない。これからもっと良い姿を見せてくれる可能性が十分ある選手」と評価した。
「アベンジャーズ」シリーズでアイアンマンはスパイダーマンが自分の後継者になれると信じて自らを犠牲にする。2014年ソチ五輪に出場した自分の活躍を見てスケルトン選手になることを決めたチョン・スンギを見るユン・ソンビンも似たような気持ちだ。ユン・ソンビンは、「本当にスンギが自分よりもっと上手になってほしい。僕が伝えられるものがあれば、すべてを出す準備ができている」と述べた。
黃奎引 kini@donga.com