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「鉄柵越北」を韓国への亡命と勘違い、大統領府にも間違い報告

「鉄柵越北」を韓国への亡命と勘違い、大統領府にも間違い報告

Posted January. 05, 2022 08:24,   

Updated January. 05, 2022 08:24

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脱北者のA氏が1日に越北した時、北朝鮮から来た亡命者だと勘違いした第22師団の「誤った判断」が大統領府にまで報告されたことが確認された。前線部隊が誤った判断をし、その判断がそのまま最上部まで報告され、政府が検挙など危機対応の「ゴールデンタイム」を逸したのではないかと指摘されている。

4日、政府筋によると、前線部隊はA氏を1日午後9時20分頃、非武装地帯(DMZ)内の監視所(GP)補給路付近で、熱感知装置(TOD)で捉えたという。A氏が最前方警戒部隊(GOP)の鉄柵を越えて約1キロ北上した後だった。部隊はこの時、軍事境界線(MDL)から数百メートルしか離れていなかったA氏を特に疑うことなく亡命者だと判断した。このような内容は、午後9時半が過ぎて合同参謀本部と大統領府危機管理センターにも報告された。国家安保室の危機管理センターは、国の危機的状況を体系的かつ迅速に管理する「コントロールタワー」だ。

第22師団の最初の判断ミスは、A氏の検挙失敗につながった。A氏が午後6時40分頃、GOPの鉄柵を越える様子は監視カメラに鮮明に映っていたにもかかわらず、これを巻き戻して見る措置も当然遅れた。

同筋は、「通常、危機的状況が起こった場合、危機管理センターにもリアルタイムで報告される」とし、「前線部隊の報告をもとに作戦を統合指揮するのが合同参謀本部の役割」と話した。「前線部隊と合同参謀本部のいずれも作戦の失敗に責任がある」と話した。

4日に終わった合同参謀本部戦備態勢検閲室の現場調査によると、鉄柵を越える前にA氏が鉄柵に近づいてそわそわしている様子が監視カメラに何度も捉えられた。鉄柵の近くに足跡も鮮明に残っており、部隊はこのような越北前後の兆候を全て逃したという。


申圭鎭 newjin@donga.com