北朝鮮が5日、新年早々にミサイル挑発に出たが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は南北対話の努力を続けると明らかにした。任期最後まで終戦宣言をはじめ韓半島平和プロセスを推進する意向を明確にしたのだが、軍統帥権者として国連安保理決議を違反した北朝鮮の挑発に「免罪符」を与えたのではないかとの指摘が出ている。
軍によると、同日午前8時10分頃、慈江道(チャガンド)から東海(トンヘ・日本海)上に短距離弾道ミサイルと推定される飛翔体1発が発射された。北朝鮮のミサイル挑発は昨年10月の新型「小型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)」発射以来。軍は、射程距離などの飛翔情報を韓米情報当局が分析しているとして公開しなかった。軍消息筋は、「ミサイルが飛翔途中、追跡レーダーから消えたことが確認された」と伝えた。飛翔中に異常が発生した可能性があるということだ。
北朝鮮によるミサイル挑発の3時間後、文大統領は江原道高城(カンウォンド・コソン)の猪津(チェジン)駅で行われた「東海線江陵(カンヌン)~猪津鉄道建設着工式」に出席し、「今朝の北朝鮮の未詳の短距離飛翔体の発射実験で緊張が生まれ、南北関係の停滞がさらに深まることが憂慮される」としつつも、「このような状況を根源的に克服するために対話を諦めてはならない」と述べた。また、「北朝鮮も対話のために、より真摯に向き合わなければならない」とし、「南北がともに努力し、信頼を蓄積していけば、ある日突然、私たちに平和が訪れるだろう」と述べた。
政府も、徐薫(ソ・フン)大統領府国家安保室長を中心に午前9時45分から約50分間、国家安全保障会議(NSC)緊急会議を開催し、「挑発」と規定せず、対話再開の重要性を強調した。
猪津駅は、南北出入管理事務所(CIQ)がある最北端駅で、金剛山(クムガンサン)へ行く最終駅。南北合意によって、2007年に北朝鮮の鑑湖(カムホ)駅と連結された。この区間が開通すればシベリア横断鉄道につながってユーラシアにまで伸びる関門になることが期待されると、大統領府は説明する。国土交通部は、今回の着工式で約4兆7000億ウォンの生産誘発効果と3万9000人の雇用誘発効果があると展望した。
ユン・サンホ軍事専門記者 パク・ヒョモク記者 ysh1005@donga.com · tree624@donga.com