「(日本は)佐渡金山のユネスコ世界文化遺産登録を急がず、韓国と十分に話し合い、納得できる解決策を見出さなければならない。このような過程を踏むことが、日韓間の他の問題の解決にもつながる」
日本文化庁長官(2010~13年)を務めた、近藤文化・外交研究所の近藤誠一代表(75・写真)は24日、東亜(トンア)日報とのインタビューで、佐渡金山の文化的価値を認めながらも、「過去の政治的・経済的問題を思い起こす人がいるなら、配慮しなくてはならない」とし、このように強調した。文化庁は日本の世界文化遺産登録を担当する省庁。
外交官出身の近藤氏は、2007年、ユネスコ世界遺産委員会日本代表を務めた。日本政府は来月1日までに、新潟県佐渡市の佐渡金山を世界文化遺産登録を目指す候補に推薦するかを決める。
近藤氏は、「両国が相手の主張に耳を傾ければ、佐渡金山問題は十分に解決が可能で、そのような過程が大変重要だ」とし、「日韓間の他の問題を解決するための協力強化にもつながるだろう」と話した。佐渡金山の推薦を最終判断する岸田文雄首相とこの過程で核心的な役割を果たす林 芳正外相については、「日本文化に誇りを持ちながらも、相手を理解して信頼関係を築きながら事を推進しなければならないと考える人」と評価した。
しかし、近藤氏は3月の韓国の大統領選と7月の日本の参院選を控え、両国の一部政治勢力が強硬な立場に出る可能性を排除できないと指摘した。近藤氏は、「(日韓が)仲良くしようと言えば、一部の強硬派から低姿勢という批判を受けるため、強気に出ざるを得ない」とし、「選挙の時の強硬発言が公約のようになってしまい、(当選後)手足を縛られることが繰り返されてきた」と指摘した。
近藤氏は、膠着した日韓関係の解決策について、「宇宙船に乗って宇宙に行って地球を眺めてみて下さい。地球の歴史で見るなら、韓国と日本が争う全てのことがつまらなく見えないでしょうか」と話した。
東京=キム・ミンジ特派員 mettymom@donga.com