先月26日から5日間、ネットフリックスの映画部門で世界1位になったフランス映画がある。「永遠の僕たち(Restless)」がその主人公だ。ネットフリックスのオリジナル映画であるこの作品は、先月25日に公開されてから一気にトップにつき、注目を集めた。
世界トップの常連であるハリウッド映画を抜いてトップに立ったこのフランス映画が、注目を集めたもう一つの理由は、原作が韓国映画だということだ。「永遠の僕たち」は、2014年に公開されたイ・ソンギュンとチョ・ジンウン主演の映画「最後まで行く」をリメイクした作品。「最後まで行く」は、汚職警察官コ・ゴンス(イ・ソンギュン)が、よりによって母親の葬儀の日に汚職関連の内部調査を受けるうえ、誤って人を轢く交通事故まで起こすなど、最悪の状況で起きる出来事を扱う。「最後まで行く」は、2017年に中国でも郭富城主演の映画「破局」でリメイクされたことがある。
「永遠の僕たち」、は交通事故のシーンのカメラアングルまでほぼそのまま再現するなど、最後のシーンの一部を縮約したことを除けば原作の展開に忠実だ。また、別の「不正警察」パク・チャンミン(チョ・ジンウン)が、観客の予想に反して突然登場し、緊張感をピークに押し上げるシーンをフランス版で見るのも見どころと言える。チョ・ジンウンの登場シーンは、映画「観相師-かんそうし」の首陽大君(イ・ジョンジェ)や映画「オオカミの誘惑」のチョン・テソン(カン・ドンウォン)とともに、ネットユーザーの間で「韓国映画の3大登場シーン」と呼ばれる名シーンだ。
「イカゲーム」をはじめとするKコンテンツのグローバル興行に加え、「永遠の僕たち」のようなKコンテンツのリメイク作品も好成績を出し、Kコンテンツの地位はますます高くなっている。「永遠の僕たち」以外も、世界各国でKコンテンツのリメイクが次々と進み、Kコンテンツの底力を発揮している。
2016年に公開された映画「釜山行き」は、ハリウッドで「ラストトレイン・トゥ・ニューヨーク(Last Train to New York)」という名でリメイクされている。芸能メディアバラエティーを含む現地メディアは、昨年末、この映画は2023年4月に公開される予定であり、有名ホラー映画「ソウ」と「死霊館」を演出したジェームズ・ワン監督が、制作に参加したと報じた。
キム・オクビンとシン・ハギュン主演の映画「悪女」の版権も、昨年米国のアマゾンに売却され、リメイクが始まっている。このほか、昨年、映画「7番房の奇跡」と「霊媒師ヤクザ」の版権が、それぞれスペインやインドに販売され、「シンクホール」の版権も中国に売られた。リメーク版権の販売が相次ぎ、昨年、韓国映画のリメーク版権の輸出額は23億8000万ウォンと、この5年間で最高を記録した。2020年(12億2300万ウォン)に比べて2倍近く伸びた。
「イカゲーム」や「地獄」「今、私たちの学校は…」など、Kコンテンツの相次ぐメガヒットにより、Kコンテンツへの関心がいつになく高まり、今年の韓国映画のリメイク版権の輸出額はさらに大幅に伸びるだろうという見通しが出ている。過去に作品性と大衆性が認められたが、グローバル流通プラットホームに出会うことができず、内需用に埋もれてしまった「最後まで行く」といった隠れた宝石を探し出そうとする海外制作会社の競争も、また激しくなる見通しだ。
漢陽(ハンヤン)大学文化コンテンツ学科のパク・ギス教授は、「Kコンテンツの魅力は、粗く独特な素材を扱いながらも、世界の人々が共感できる普遍性を引き出し、バランスを取るということだ」とし、「Kオリジナルコンテンツが主力となり、リメーク作がこれを支える構図が固まり、Kコンテンツが世界市場で持つブランドパワーはさらに強まるだろう」と述べた。
孫孝珠 hjson@donga.com